2025/05/23
防災・危機管理ニュース
NTTは23日までに、雷雲の接近時にドローンを飛ばし、誘発した雷を直撃させて地上への落雷を防ぐ実験に成功したと発表した。雷の直撃にも耐えられるドローンを開発し、導電性ワイヤを通じて地上に電気を流す仕組み。屋外のイベント会場など、避雷針を設置できない場所での被害防止に役立つと期待される。
落雷は、人的被害や火災の原因となるだけでなく、通信設備などのインフラにも影響を与える。高さ20メートルを超える建築物には建築基準法で避雷針の設置が義務付けられているが、屋外では設置が難しい場合も多い。
NTTの研究チームは、ドローン本体の周囲に金属シールドを付け、雷が直撃しても本体に電気が流れないドローンを開発。昨年12月~今年1月、島根県浜田市の山間部で飛ばし、実証実験を行った。
まず、落雷の前兆となる地上の電界強度が高くなったところでワイヤの付いたドローンを高度300メートルまで上昇させた。地上側のスイッチを操作して通電可能な状態にしたところ、ドローン周囲の電界強度が急激に変化して、誘発された雷が直撃。高圧電流はシールド経由でワイヤから地上に流れた一方、ドローンは故障せずに飛行を続けたという。
同社は今後、実用化に向けて雷の予測精度を高めるほか、誘発させた雷のエネルギーを蓄積、利用する手法の開発にも取り組むとしている。
〔写真説明〕上空で雷を誘発し、地上に電気を逃がすことで落雷被害を防止する耐雷ドローン(NTT提供)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
- 東・西日本、低気圧で大雨警戒=気象庁
- NTT、「空飛ぶ避雷針」の実験成功=ドローンで雲に接近、誘導
- 備蓄米、店頭で2000円=30万トン放出、追加も―随意契約で来月にも消費者へ
- 小型機墜落、10人死傷=上空は濃霧、当局が調査―米加州
- 4月消費者物価、3.5%上昇=コメ98.4%、上げ幅最大―総務省
おすすめ記事
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/05/20
-
永野芽郁と田中圭の報道から考える広告リスクタレントの不倫疑惑
「不倫報道で契約解除」は企業の広告・広報担当者にとって決して珍しい判断ではなくなりました。特に「B to C」企業は世間の空気に過敏にならざるを得ない構造があります。永野芽郁さんと田中圭さんという人気俳優による不倫報道が世間をにぎわせています。企業にとって本質的に問われるべきは、タレントの私生活そのものではなく「報道によって自社ブランドが受けるリスクをどう評価し、どう備えていたか」という事前準備と、報道後のブレない対応です。本稿では、広告タレント起用のリスクに対して、企業が準備しておくべきこと、そして“報道された時”にどう判断すべきかを整理します。
2025/05/20
-
-
-
「まさかうちが狙われるとは」経営者の本音に向き合う
「困った人を助け、困った人を生み出さず、世界中のデータトラブルを解決します」。そんな理念のもと、あらゆるデータトラブルに対応するソリューションカンパニー。産業界のデータセキュリティーの現状をどう見ているのか、どうレベルを高めようとしているのかを聞きました。
2025/05/13
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方