コントロール・リスクス・グループが開催したセミナー。同社の顧客約100名が参加した。

コントロール・リスクス・グループ株式会社は5月20日、「トランプ新政権下におけるビジネスリスクと機会」をテーマに都内でセミナーを開催した。日本では、新型コロナウイルス感染拡大後、初となる大型の対面セミナーで、海外に拠点をもつ企業など大企業のリスクマネジメント部門、経営層、海外事業の担当者など約100人が参加した。

セミナーでは、同社パートナーで代表取締役の岡部貴士氏と、アメリカから来日したコントロール・リスクスアメリカ地域CEOのビル・ユーデル氏がそれぞれ講演。岡部氏は、年初に同社が発表した「リスクマップ2025」について解説し、トップ5で掲げた「不確実な米国情勢のゆくえ」「地政学的レッドライン」「グローバル規模の貿易戦争」「増加する政治的暴力」「デジタルエコシステムにおける集中リスク」がそれぞれ現状どのように推移しているかを解説した。このうち、地政学的レッドラインについては、5月に発生したインド・パキスタンの武力衝突や、昨年のイスラエルのイランへの直接攻撃など、従来レッドラインとされてきた一線を超えるような事態が多発しており、レッドラインそのものの位置づけがわかりづらくなっていると持論を展開した。ユーデル氏はトランプ大統領について「自ら情報の洪水をつくり、自分でクライシスを設定して自分で解決するのが彼の手法」と指摘しながらも、「多くの施策は、大統領就任時から『プロジェクト2025』として定められていたもの。突発的な発言もあるが、今後もプロジェクト2025に書かれている内容を実行していくだろう』との見方を示した。一方で、民主党については機能不全に陥っているとし、今後も混沌とした状況が続くとの見解を述べた。

会場からは、今後考えられるリスクや、打ち出される施策、国際情勢の行方などについて多くの質問が出された。

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