日本政府観光局が16日発表した2025年上半期(1~6月)の訪日外国人数(推計値)は2151万8100人と、過去最も速いペースで年間2000万人を超えた。春節(旧正月)や桜の開花時期に中国などからの観光客が増え、前年の上半期に比べて21.0%増加した。一方、観光庁によると、4~6月期の訪日外国人旅行消費額(速報値)は前年同期比18.0%増の2兆5250億円だった。
 上半期の訪日外国人数を国・地域別に見ると、韓国が7.7%増の478万3500人で最多。中国が5割増の471万8300人で続いた。6月単月は前年同月比7.6%増の337万7800人と、6月として過去最多を更新。中国や東南アジア、欧米から学校の休暇に合わせた来日が増えたが、日本で大災害が起こるとのうわさがSNSなどで拡散された香港は33.4%減の16万6800人にとどまった。
 4~6月期の旅行消費額は、四半期として過去最高を更新した。ホテル代の高騰で宿泊費が膨らむなど増加傾向が続く一方、買い物代は横ばい。百貨店の免税売上高は大幅に落ち込んだ。1人当たりの旅行支出は0.1%減の23万8693円にとどまり、訪日客の消費に変調の兆しがうかがえる。
 ただ、訪日客数と消費額はともに年間で過去最高を更新するペース。観光庁の村田茂樹長官は30年に訪日客数を6000万人、消費額を15兆円に増やす政府目標について、「力強い成長軌道に乗っている」と達成に手応えを示した。 
〔写真説明〕浅草を歩く外国人観光客ら=5月30日、東京都台東区(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)