警察庁は17日、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」のうち、ハッカー集団「Phobos(フォボス)」と「8Base(エイトベース)」によるデータ暗号化被害からの回復ソフトを開発したと発表した。警察庁サイトや、欧州警察機関(ユーロポール)が運営する対策サイトなどで公開し、無料で利用できる。
 ウイルス感染により暗号化されたファイルをソフトに読み込ませるだけで、データを復元できる。実証試験では、データの破損がなければ、ほぼ100%復元できたという。
 警察庁によると、2グループによる被害は2018年以降、世界で2000件以上発生。ロシア国籍の男らが米司法省などに訴追されている。国内でも20年以降、中小企業や公共機関など90件の被害があったという。
 同庁サイバー特別捜査部の男性技官が、闇サイト上のランサム生成ソフトや海外捜査で入手したシステムデータなどを解析し、開発に成功した。同庁は「世界初の成果と言える。被害企業のデータ回復や新たな被害防止に役立ててほしい」としている。 

(ニュース提供元:時事通信社)