2015/03/30
防災・危機管理ニュース
国土交通省は3月27日、「港湾の事業継続計画(港湾BCP)」を策定したと発表した。港湾BCPは、大地震等の自然災害が発生しても、港湾の重要機能が最低限維持できるよう、自然災害等の発生後に行う具体的な対応(対応計画)と、平時に行うマネジメント活動(マネジメント計画)等を示した文書のこと。緊急物資輸送だけでなく、港湾における重要機能(国際コンテナ輸送や石炭輸入など)について、具体的な対応と各関係者の役割を時系列で明確にしている。
政府が進めている「国土強靭化アクションプラン2014」では、国際戦略港湾・国際拠点港湾・重要港湾等で港湾BCPが策定されている割合が重要業績指標(KPI)の1つとして設定されている。このKPIを確実に達成するために国土交通省港湾局が港湾BCPを策定した。
港湾BCPの概要、必要性、有効性、策定方法、実施方法、留意事項を示すことで、港湾BCPの策定を推進し、取り組みの促進と対応能力の強化をはかり、国土強靭化の実現をさせることが目的。港湾BCPの基本方針から始まり、実施体制、対応計画(初動対応、機能継続に関する対応、緊急輸送対応)、マネジメント計画(事前対策の実施計画、教育・訓練の実施計画、見直し・改善の実施計画)等が示されている。
今後、全国の港湾管理者に配布し、実効性のある港湾BCPの策定と、策定後の継続的な取り組みを促していくとしている。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方