【カイロ時事】イスラエル軍報道官は20日、パレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市の制圧に向けた「予備的な」軍事行動により、「市の郊外を掌握した」と発表した。実質的な作戦開始とみられ、ロイター通信は「制圧作戦の第1段階だ」と報じた。
 イスラエルは、壊滅を目指すイスラム組織ハマスの拠点がガザ市に残されていると見ている。軍報道官は、ハマスが「軍事テロ組織から、打ちのめされたゲリラ組織へと変貌した」と主張し、ガザ市への攻撃を強める考えを示した。
 イスラエルのカッツ国防相は19日にザミール軍参謀総長と協議し、制圧作戦を承認。ネタニヤフ首相は21日にも正式な作戦開始を判断するとみられている。
 地元メディアは先に、制圧作戦を巡り、イスラエルがガザ市住民の南部への退避期限として設定する10月7日以降に本格的な攻撃が始まると伝えていた。ただ、ネタニヤフ氏はハマスに抗戦に向けた猶予を与えないよう作戦を急ぐ方針に転じたという。 
〔写真説明〕20日、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤで、イスラエルによる空爆から逃げる人々(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)