【ブリュッセル、ワシントン時事】米国と欧州連合(EU)は21日、7月に合意した新たな貿易協定の枠組みに関する共同声明を公表した。EUは米国の全ての工業製品に対する関税を撤廃し、農水産物の市場アクセス拡大にも応じる。米側はEU製品に課す関税を最大15%に抑えることなどを盛り込んだ。
 共同声明では、自動車規格の相互承認やデジタル取引への関税禁止、食品検疫や環境規制に伴う非関税障壁を減らす方針などを明記。経済安全保障やサプライチェーン(供給網)の強化を見据えた戦略的連携の一環と位置付けた。
 自動車分野では、米国が輸入車に課している27.5%の関税を当面維持するが、EUが米国製品に対する関税撤廃の立法手続きを開始した場合、その月の初日にさかのぼって15%に引き下げられる。
 米国が安保上の観点から高関税を検討していた医薬品や半導体、木材などについても、15%が上限となる。一方、EUが求めたワインや蒸留酒の関税撤廃は見送られ、15%が課される。 
〔写真説明〕米国旗とEU旗(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)