文部科学省は、介護や保育など社会機能を支える「エッセンシャルワーカー」の賃上げを実現するため、2026年度に全国16カ所の専門学校でリスキリング(学び直し)のモデル事業を行う方針を固めた。デジタル分野の知見を持つ企業などと連携して実施し、労働生産性の向上につながる能力を習得してもらう。新規事業として、26年度予算概算要求に約4億4000万円を計上する。
 リスキリングの推進により、賃金面で厳しい環境に置かれている就職氷河期世代の勤労者の賃上げを促す狙いもある。
 文科省はモデル事業で、専門学校1カ所当たり2400万円を補助。調理や自動車整備など、さまざまな職業分野への教育を対象とする。取り組み成果をまとめた上で、全国規模での横展開を目指す。
 事業では、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する知見を持つ企業や業界団体との連携も進める。企業現場が実際に必要としている技能を身に付けられるようにする。
 地元の働き手不足に悩む自治体との連携も促進。例えば、都市部の調理師専門学校と、地方の観光地の自治体が協力し、地元観光業界が求めるデジタル面の技能などを専門学校で習得する取り組みなどを後押しする。 
〔写真説明〕文部科学省

(ニュース提供元:時事通信社)