災害でライフラインが寸断した際などに役立つカセットこんろや携帯発電機だが、経年劣化や誤った使用方法で重大な事故が発生する恐れもある。製品評価技術基盤機構(NITE)は9月1日の「防災の日」に合わせて注意喚起し、製品の状態を点検するよう求めている。

 NITEによると、カセットボンベやカセットこんろなどの事故情報は2020~24年に204件寄せられた。このうち、原因調査を終えた157件について分析したところ、製品の不具合による事故が92件で最多だったが、「誤使用や不注意」は29件で2割近くを占め、「経年劣化」も7件あった。

 携帯発電機の事故情報は20~24年に21件。屋内で使用したことで一酸化炭素(CO)中毒になる事故が多く、調査済みの17件のうち12件は誤使用や不注意などが関係していた。

 カセットボンベでは、京都府で21年1月、長期保管していたボンベ内部のパッキンが劣化し、漏れたガスに引火したとみられる事故が起き、80代の男性がやけどを負った。携帯発電機では、鹿児島県で20年9月、換気が不十分な屋内での使用によるCO中毒で3人が倒れ、1人が死亡した。

カセットボンベの経年劣化が原因で発火したカセットこんろ(NITE提供)

 カセットボンベの事故は火災につながったり、人的被害が出たりするケースが多い。携帯発電機ではCO中毒で複数人が被害に遭うケースが多く、死亡事故の割合も高いという。

 NITE担当者は▽製品の使用期限を確認して早めに使い切る▽説明書の指示に従って正しく使う▽使用する場所の安全性を確認する―ことなどが重要と指摘。使用期限が近いものから使い、新しく補充する「ローリングストック」を推奨する。

 担当者は「いざ使おうとしたときに事故が起きないよう、製造年などを確認して買い替えなどを検討してほしい」と訴えている。(了)

(ニュース提供:時事通信 2025/09/01-05:25)

(ニュース提供元:時事通信社)