【ブリュッセル時事】世界気象機関(WMO)は2日、太平洋赤道域東部(南米沖)の海面水温が平年を下回るラニーニャ現象について、9月以降に発生する可能性が高まっているとの分析結果を公表した。ただ、冷却効果があるラニーニャが起きても、今秋の世界各地の気温は平年を上回り、北半球の大部分と南半球の広い範囲で高温が続く見通しという。
 WMOによると、今年3月以降は太平洋の海面水温が平年並みの「中立状態」が続いていたが、9~11月のラニーニャ発生確率は55%、10~12月は60%程度に上昇。一方、気温は高止まりするとみられ、サウロ事務局長は「(ラニーニャなどの)自然現象は、人為的な気候変動という大きな文脈の中で生じている」と述べ、世界的な気温上昇や異常気象は主に人間の活動に起因するとの見方を示した。
 日本では気象庁が1日、今夏(6~8月)の平均気温が平年を2.36度上回り、1898年の統計開始以来、最も高かったと発表。今秋についても、10月にかけて全国的に平年に比べて高温が続くと予想している。 
〔写真説明〕日傘を差して踏切を渡る通行人の後ろに見えるかげろう=8月5日、東京都内(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)