三井住友海上火災保険が、地域住民の需要に応じて車両を運行する「オンデマンド交通」の導入支援に乗り出すことが29日、分かった。IT企業との連携でドライブレコーダーから集めた交通量データを人工知能(AI)で分析し、利用者の需要を精緻に予測。交通空白地の解消を目指す自治体や交通事業者への最適ルートの提案に生かす。
 人口減少によるドライバー不足に悩む地方ではバスの減便やタクシー事業者の廃業などを受け、公共交通サービスの確保が喫緊の課題となっている。三井住友海上としてもオンデマンド交通の普及を高齢者の事故削減につなげたい考えだ。
 オンデマンド交通は、利用者がスマートフォンなどで事前に乗車場所や目的地を指定して車を予約し、相乗りして移動する仕組み。三井住友海上は自動車保険の契約者に貸与したドラレコから収集したデータに人口分布などを組み合わせて分析し、需要予想などを行う。
 10月1日から静岡県掛川市、御前崎市でオンデマンド交通導入の実証実験を始める。すでに運行が始まった長野県茅野市でも利用促進に向けた取り組みを強化する。 
〔写真説明〕三重県菰野町の乗り合いタクシーに乗る高齢者(資料)

(ニュース提供元:時事通信社)