警視庁公安捜査監督指導室の発足式で訓示する若田英公安部長=1日午後、東京都千代田区

警視庁公安捜査監督指導室の発足式で訓示する若田英公安部長=1日午後、東京都千代田区

 警視庁公安部は1日、捜査のチェック機能を強化するための「公安捜査監督指導室」を発足させた。機械メーカー「大川原化工機」を巡る冤罪(えんざい)事件を踏まえた再発防止策の一環で、捜査指導体制の拡充を図る。

 若田英公安部長は同日、同庁本部で行われた発足式で「信頼を回復することは、一朝一夕になし得るものではない。真に必要な捜査を緻密かつ適正に推進する役割を果たす存在となることを祈念する」と訓示した。

 指導室は、管理官級の室長をトップに、公安総務課内に約20人体制で設置された。主に本部や警察署が手掛ける公安・外事の重要事件を対象に、収集した証拠の吟味や捜査手続きが適正かどうかの確認、法令解釈の指導などに当たる。現場の捜査員からの相談や質疑も受け付ける。 

 大川原化工機を巡る冤罪事件の国家賠償訴訟では、公安部の捜査を「違法」と認定した判決が6月に確定。警視庁は8月、「捜査指揮系統が機能不全に陥っていた」などとする検証報告書を公表し、指導室の新設や公安部長が主宰する会議の導入などの再発防止策をまとめていた。(了)