2025/11/19
防災・危機管理ニュース
中国が日本への渡航自粛を呼び掛けたことを受け、日本の旅行、小売業界は今後の動向に目を凝らしている。今年の訪日外国人数は初めて年間4000万人を突破する勢いで、国内消費は外国人旅行者に支えられている側面も大きい。日中関係の急速な悪化は、日本経済に冷や水を浴びせかねない。
日本航空は中国路線の予約について、「現時点で今週末の状況に目立った変化はないが、引き続き注視していく」と回答した。日本旅行業協会もツアーの予約に関し、「今のところ大きな取り消しはない」と説明する。
今年春から夏にかけて香港や韓国を中心にSNS上で「7月5日に日本で地震が起こる」とのうわさが拡散。こうした国・地域で日本への旅行を手控える動きが広がった。この時は一過性の風評で済んだが、今回の事態はより深刻化する恐れがある。
観光庁によると、今年1~9月の外国人旅行者による消費額は6兆9156億円。このうち、中国は2割強を占め、国・地域別で最も多い。日本への渡航に注意を促した香港は5位で、合わせて3割に上る。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、中国と香港の渡航自粛に伴う経済損失が1兆7900億円に達し、国内総生産(GDP)を0.29%押し下げると試算する。今年3~8月の免税売上高の56%を中国が占めた高島屋は、「訪日客数を注視していきたい」とコメントした。
ただ、発端が外交問題だけに民間企業は打開の糸口を見いだせない。「われわれにどうこうできる問題ではない」(小売業)と、消費の現場ではあきらめムードも漂う。2012年秋から13年にかけ、沖縄県・尖閣諸島を巡る問題を背景に中国からの旅行者が大幅に減少した。業界関係者は「過去にも日中関係は悪化している。政治は政治、経済は経済だ」と話した。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
顧客の安全と安心をAIと人のアシスタンスサービスで追求
JTBグローバルアシスタンス(東京都千代田区)は、渡航先でのけがや荷物の紛失、言語の壁など、海外旅行に関わるトラブルを包括的にサポートしてきた。昨今では地政学リスクの高まりに応じ、自社の危機管理ソリューションを生かした出張者や駐在員の安全確保にも注力している。創業35年を機に、AIと人間、それぞれの長所を組み合わせたハイブリッド型サービスの展開を目指す。混沌(こんとん)とした時代の中、海外旅行に伴うリスクを低下させ、旅行者の安全をどのように確保するのか。鈴木章敬代表取締役社長に話を聞いた。
2026/05/19
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/05/19
-
-
-
-
追跡調査中のハンタウイルス感染症原因ウイルスにはどんな特徴が?
世界保健機関(WHO)が5月4日に大西洋を航行中のクルーズ船で乗客3人が死亡し、ハンタウイルスの感染が疑われると発表した。その後、日本人1人を含む乗員と乗客はスペイン領テネリフェ島で下船。各国で追跡調査が行われている。ハンタウイルスは、いったいどんなウイルスなのか。ハンタウイルスに詳しい北海道大学大学院の苅和宏明特任教授に聞いた。
2026/05/14
-
-
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方