例年、暖房器具を使い始める人が多い11月に火災事故が増えるとして、製品評価技術基盤機構(NITE)が器具の破損がないかなどを事前に点検し、安全に使用するよう呼び掛けている。
 2020~24年にNITEに通知された暖房器具の事故は596件に上り、死者数は78人だった。月別で見ると、11月に増え始め、12月~翌年3月までに集中していた。
 製品別では、石油暖房器具の事故が最多の263件だった。給油口のふたの閉め忘れなどが原因で漏れた灯油に引火したり、洗濯物などの可燃物が接触して出火したりするケースがあった。誤ってガソリンを給油したことによる事故もあった。
 次に多かったのは電気暖房器具の事故(208件)で、内部配線の不具合や電源コードの断線による異常発熱が目立った。リコール対象製品での事故も見られた。
 NITEは事故防止のポイントとして、壁や燃えやすい物との距離を十分に確保し、就寝時には必ず消すことが重要としている。
 石油暖房器具は、ほこりがたまらないよう定期的に掃除し、燃料には新しい灯油を使うことが必要と指摘。電気暖房器具については、電源コードやプラグが変形していないことや転倒時オフ機能が正常に作動することを確認するように求めている。 
〔写真説明〕布団が電気ストーブに触れて燃える再現実験(NITE提供)

(ニュース提供元:時事通信社)