福井県は7日、職員へのセクハラ問題で昨年12月に辞職した杉本達治前知事(63)の言動が「セクハラに当たることは明らかだ」と認定する調査報告書を公表した。女性職員からの外部窓口への通報を受け、県や弁護士らが調査。セクハラに当たるメッセージ約1000件と、職員の太ももを触るなどの身体的被害が3件確認された。
 同日県庁で記者会見した鷲頭美央副知事は、被害者や県民、県職員に対し「心よりおわび申し上げる」と謝罪。杉本氏の行為が執拗(しつよう)かつ長期間にわたるものだったとし、「強い憤りを禁じ得ない」と話した。
 報告書は、暗に性的関係を繰り返し求めるメッセージや、職員の体を触る行為などに関し、ストーカー規制法や刑法上の不同意わいせつ罪に抵触する可能性を指摘。「辞職したことなどを考慮しても、責任は重大だ」と結論付けた。一方、県は被害者本人の意思が確認できていないとして、刑事告発には慎重な姿勢を示した。
 県の依頼を受けた弁護士3人が「特別調査委員」として、昨年9月から通報者を含む職員に聞き取り調査などを実施。通報者を含め4人の職員から具体的な供述や杉本氏からのメッセージの提供を受け、4人全員のセクハラ被害を認定した。
 報告書によると、セクハラがあったのは、杉本氏が総務省から総務部長として初めて県に出向した後の2007年以降。杉本氏は調査に対し、意図的に触ったことを否定したが、報告書は「信用できない」とした。また、メッセージには「キスしちゃう」「エッチなことは好き?」などの性的な表現が数多く含まれ、「杉本氏はセクハラに当たることを十分認識していた」と判断した。
 杉本氏は旧自治省(総務省)に入省し、04年に総務部長、13年には副知事として県に出向。19年の知事選で初当選した。セクハラ問題を受け、2期目途中で辞職した。 
〔写真説明〕杉本達治前知事
〔写真説明〕前知事のセクハラ問題について記者会見する、特別調査委員の河合健司弁護士(左)、福井県の鷲頭美央副知事(中央)、服部和恵総務部長(右)=7日、福井県庁

(ニュース提供元:時事通信社)