ミラノ・コルティナ冬季五輪で選手に授与される金メダルと銀メダル。2021年7月開幕の東京五輪に比べて1割ほど軽くなったが、素材の価値はほぼ4倍に上昇した。22年2月にロシアがウクライナ侵攻を始めるなど、地政学リスクの増大を背景に貴金属相場が高騰したためだ。
 東京五輪の銀メダルの銀の重量は550グラム、ミラノ冬季五輪は500グラム。金メダルは、これらにそれぞれ6グラムの金をメッキしている。国際指標であるニューヨーク商品取引所の両大会開幕日の先物相場を当時の為替レートで換算すると、金と銀の円建て価格はともに約4倍になった。これにより、金メダルの素材価値は8万8000円から34万5000円に、銀メダルは4万9000円から19万4000円に上昇した。
 金は「安全資産」とされ、戦争や世界経済への不安があると値上がりしやすい。今年は米国によるベネズエラ軍事介入やイラン情勢の悪化が金価格を急激に押し上げ、銀価格にも波及した。
 銀は太陽光発電パネルに使用されるため、再生可能エネルギーの普及も価格高騰の一因。電気自動車向けの需要が増えた銅も、大幅に値上がりしている。楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは「五輪は世界が同じ方向を向く貴重な機会だ。期間中に銀が話題になり、環境への関心がより高まってほしい」と話した。 
〔写真説明〕ミラノ・コルティナ冬季五輪のメダルデザイン(C)Fondazione Milano Cortina 2026(写真上)と、2021年東京五輪のメダル
〔写真説明〕フィギュアスケート団体で銀メダルを獲得した日本(左)。中央は金メダルの米国、右は銅メダルのイタリア=8日、イタリア・ミラノ郊外

(ニュース提供元:時事通信社)