2026/04/02
防災・危機管理ニュース
企業のインターネット広告費をだまし取る「アドフラウド」の国内の被害額が2025年は1592億円に上ったとの推計を2日、「スパイダーラボズ」(東京)が公表した。前年比82億円の増加。人工知能(AI)による広告配信が急拡大する中、広告費の不正取得を目的に作成された粗悪なサイト(MFA)を優良な掲載先と判断し、配信を続ける「AIの死角」が突かれているという。
アドフラウド対策ツールを提供しているスパイダーラボズが、ネット広告に対する60億超のクリックを分析。この結果、「ボット」などを使って広告を閲覧したように見せかける偽装クリックが4.81%含まれていた。不正の発生率は前年から0.3ポイント低下したが、被害額はネット広告市場の拡大に伴い増加した。
同社によると、AIによる広告配信は数年前から急速に広がっている。掲載先を瞬時に選択し、膨大な量の広告を効率的に配信できるため利便性が高く、ネット広告で主流の「運用型」に占めるAI配信の割合は25年が35%、28年には68%に達する見通しだ。
AIによる配信の仕組みは複雑で、企業側が広告の掲載先を詳細に把握するのは困難。こうした中、広告費の不正取得だけを狙った悪質なサイトが横行している。ゲームや口コミのまとめなど一見よくあるサイトだが、人の目で見ると、説明文などは粗雑で不自然さが目立つ。中身を読もうとすると、ほとんど広告で占められるサイトもある。ただ、こうしたサイトでもボットによる機械的なクリックが積み上がることで、AIは「成果の出る優良サイト」と誤って「学習」し、広告の配信をさらに増やしていくという。
MFAサイトは生成AIで量産されており、25年に同サイトに表示された広告は、同社が検知した範囲で10億1900万件と前年の14倍に激増。これにより被害額は5.3倍の4億2000万円余に膨らみ、うち6割(2億6000万円)がAI配信による広告費とみられる。
また、同社によると、最近はスマホ向け縦型動画広告のアドフラウド被害も増えている。25年の不正発生率は12.79%と全体の平均を大きく上回り、パソコンからの機械的なクリックがショート動画系SNSやメッセージアプリ系の広告に集中していたことも判明した。
MFAサイトは匿名での運営が可能で、アドフラウドの主体や資金の流出先を特定するのは極めて難しい。このため、スパイダーラボズは被害を防ぐ対策として、不正クリックを検知・遮断することに加え、AIに正しい情報を学習させて広告配信の精度を高めていくことが広告主側に求められるとしている。
〔写真説明〕企業の広告費がターゲットに(イメージ)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/30
-
-
-
W杯に水を差したDAZN契約プラン表示が原因で大炎上
世界最大のスポーツイベントであるサッカーのW杯が6月12日に開幕。日本は1勝1分けで決勝トーナメント進出を大きく引き寄せている。その裏でW杯の視聴契約を巡ってSNSで大炎上していたのが、スポーツコンテンツの配信会社であるDAZNだ。W杯の全試合を視聴できる年間契約プラン表記に問題があり、13日にお詫びを発表した。しかしその対応も反感を買い、炎上は継続。最終的には年間プラン自体を取り下げた。DAZNの何が問題だったのか、消費者問題に詳しい住田 浩史弁護士に聞いた。
2026/06/23
-
-
-
-
企業の副業解禁とコンプライアンス対策を支援
企業の副業解禁の流れが加速している。従業員は本業以外の労働を増やすことで、収入増が見込める。従業員が副業で獲得したスキルで、本業への貢献も期待できる。企業側にとっても、副業は採用活動に活用できる。業務発注から関係を深めてからの転職や採用後のミスマッチを防止する効果がある。一方で、副業の一般化に伴い、同業他社での競業や情報漏えい、ブランド毀損、過重労働など、副業リスクは増加している。フクスケ(東京都千代田区)は、企業の副業制度の運用支援に加え、副業コンプライアンス向上に関するデータを分析し、リスク診断サービスも提供している。代表取締役社長の小林大介さんに、企業の副業解禁がもたらす影響について話を聞いた。
2026/06/12
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方