1991年、ハイウェイ80号線沿いに並ぶ破壊された車(出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Demolished_vehicles_line_Highway_80_on_18_Apr_1991.jpg)

前回まで、現地のT氏の対応を中心に見てきましたが、今回は本社及び中東地域の統括機能の中東事務所の対応をBCPの観点も入れて見ていきたいと思います。

Ⅰ.事象の整理

1.本社危機管理対応

8月2日

イラク軍が侵攻した2日の朝11時に、本社の海外事務所の窓口担当から指示。

①外に出ないこと。道で車から引きずり出されているケースがあり危険。
②情報入手のためにラジオで日本語放送を聞くこと。
③カフジ行きもやめた方が良い。

これらは、現地で入手不能となったCNNやロイターなどの情報をもとに指示を送ってきたもので、その後に入った日本大使館からの指示も①②は同様の内容。

2.本社緊急対策体制

本社での対応は、本社の海外事業所の窓口の責任者とT氏のクウェート事務所の上司の所長で対応。マスコミから、なぜ緊急対策本部を設置しないのか?と質問をうけたが、形式を重視したような「緊急対策本部」はあえて置かず、その理由として「一般的な災害と違って、こういう事件は余り組織立って大げさにやらない方が良い。組織内の縦横の連絡網さえしっかりさせ、中東経験者の知見も含め、絞られた意思決定者が確実に意思決定をして進めていく方が良い」と説明している。