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環境経営学会環境経営格付機構によるサステイナブル経営診断(Rating of Sustainable Management)は、2002年度に第1回環境経営格付を実施して、2005年度から活動のタイトルを「サステイナブル経営格付/診断」に、2011年からは「サステイナブル経営診断」に改めています。この目的は、持続可能な社会の実現を目指す社会の要請に応える企業経営のあるべき姿を追求し、企業との協働により、これを経営の実践の場にあてはめ、経営のさまざまな側面のあるべき姿への達成度を測定・評価し、さらなる自己改革に資するとともに、結果を公表し、かかる経営の社会的な広がりを期することです。第27回、第28回に引き続き、環境経営学会環境経営格付機構によるサステイナブル経営診断の方法と事例を紹介いたします。

(1)環境経営学会環境経営格付機構による経営診断の方法と特徴

環境経営学会環境経営格付機構による「サステイナブル経営診断」の手法では、持続可能な経営の在り方と、その適合性を評価する手段を、経営、環境、社会分野にわたる300項目を超える評価項目を設定して行っています。この達成度合いは、「サステイナブルマネジメント・ツリー(Sustainable Management Tree)図」に表示して、企業のサステイナブル経営度を明示する方法を開発しています。

また、「サステイナブル経営診断」の最大の特徴は、評価に当たって、予め企業の自己評価を求め、当該評価の証拠や根拠を確認するため、経営評価委員が現地に赴き、当該企業担当者と徹底した対話を実施して経営評価および診断をすることです。

このシステムは、次のⓐからⓘのような、具体的な特徴を持っています。

ⓐ サステイナブル経営に関する活動の側面を、経営、環境、社会の3分野から捉えています。

ⓑ 各経営側面において、サステイナブル経営に求められる到達点(あるべき姿)を明確に設定しています。

Ⓒ 各経営側面での取り組みを、戦略、仕組、成果の3つの段階で捉えています。

ⓓ 経営への取り組み状況を客観的、公平に評価するために評価項目を設け、その評価項目に関わる取り組みの必須要件を設けています。

ⓔ 必須要件について、取り組み実態がどのような到達水準にあるかを評価するために、判断基準を設けています。この判断基準は、持続可能性の観点からの数値化により、0から4までの5水準です。

ⓕ 企業の取り組みの広がりを、単独の取り組みからグループ全体の取り組みまで4ステップに分け、これによって取り組みの到達状態の水準について調整を行っています。

ⓖ 企業の取り組みが、それぞれの側面においてどのような水準にあるかの判断は、取り組み状態を最もよく知る企業自ら行います。すなわち、基本的には、企業による自己診断を基本としています。

ⓗ その判断の妥当性を第三者が検証することを企業が求める場合、学会の評価委員が、インタビューで企業側が用意した証拠や根拠によって、チェックする方式をとっています。

ⓘ こうした評価の結果を総合的に「見える化」するために、サステイナブルマネジメント・ツリー図による、全体的な表現方法を整備しています。