日本政策投資銀行(DBJ :Development Bank of Japan Inc. 以下、「DBJ」という)は、2004年4月より企業の環境への取り組みを適切に評価し、その情報を市場に伝達して、それにより環境に配慮した企業経営を推進することを金融機関の重要な役割と考え、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI: United Nations Environment Programme Finance Initiative)の東京会議(DBJ共催)における東京原則(コンファレンス・ステートメント)の採択を受けて、DBJ環境格付の導入を開始しました。DBJ環境格付は、格付に応じた優遇金利融資を行う、世界で初めての金融商品の一種です。第27回では、DBJの環境格付融資の方法と動向を紹介いたします。

(1)日本政策投資銀行の環境格付融資の方法と特徴

DBJは、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)や環境省との情報交換を踏まえ、環境経営調査により、企業の環境経営度を評点化する環境格付融資を実施しています。DBJの環境格付融資のプロセスは、図表1のとおりです。

図表1では、「①企業申込み」に基づき、「②-1企業審査」により「②-2信用格付」と並行して、「③-1環境スクリーニング」で「③-2環境格付」を実施するプロセスが示されています。環境格付の結果「④与信判断・条件決定」が行われ、企業の環境経営度が一定評点以上と判断されると合格となり、評点に応じて融資条件(貸付金利)が段階的に決定されて、「⑤契約締結・融資実行」となり、融資が行われます。「⑤契約締結・融資実行」では、契約企業に対して「認定証」と「DBJ環境格付結果通知書」が付与され、融資実行が行われます。融資実行にあたって、融資金利は、図表2に示すとおり、3つに分類されます。

融資金利は、(A) 特別(政策)金利Ⅱ、(B) 特別(政策)金利Ⅰ、(C)一般金利の3段階で融資が行われ、得点に応じて適用金利(引き下げ幅0.05%から0.60%)を設定する環境格付の専門手法を導入した方法で実施されます。

DBJ環境格付の特徴は、図表1の「③-1環境スクリーニング」が、評価時点における取り組みの評点であると同時に、その後も取り組み水準が維持されるよう「⑥環境モニタリング」を組み合わせている点です。モニタリングは、環境法令違反や労働災害などが発生した場合、企業にDBJへの通知を義務づけ、事案の程度に応じ「⑦格付の停止・取消」の対策を講じます。