2018/10/05
防災・危機管理ニュース
トーマツは4日、「グローバルビジネス記者勉強会」を開催。ディレクターの茂木寿氏は、日系企業に影響を及ぼすリスク動向について解説した、地震・台風・豪雨など自然災害によって起こる長期間の停電リスク、7日に行われるブラジル大統領選挙を挙げた。
北海道で異例の全域停電
9月6日未明に起きた北海道胆振東部地震は、震源地近くの主要発電所が停止したことをきっかけに全道296万戸に及ぶ大規模停電となり、一般家庭だけでなく、企業にも工場操業停止のほか空路・鉄道といった交通寸断など大きな影響を与えた。また停電によりインターネットや携帯電話網まで途絶したことで、企業にとっては安否確認ができないケースもあった。一方、緊急時に備えて自家発電装置を稼働させ事業を早期復旧させた企業に改めて注目が集まった。
茂木氏は「こうした大規模停電は北海道特有のことではなく、首都圏や他の大都市でも同じようなことがいつでも起こり得る」と注意喚起した。また2011年の東日本大震災で一気に取り組みが進んだBCP(事業継続計画)について「BCP策定から7年が経ち、計画を見直すにはちょうどよい時期にある。ここ数カ月の度重なる自然災害を経て、改めて実効性を問う動きが広がっている」と評価した。
極右優勢のブラジル大統領選
7日に行われるブラジル大統領選。当初候補者で支持率トップであったルラ元大統領が汚職罪で立候補できなくなったことで、有力候補不在の中で元陸軍大尉の極右候補・ボルソナロ氏が世論調査で1位となっている。
背景には現・労働者党政権による貧困層へのばらまき政策の効果が薄く、国庫負担を増大させている現状がある。ボルソナロ氏は現政権に不満を持つ中間層の支持を集めている一方で、女性・黒人蔑視など過激な発言が多く「ブラジルのトランプ」と揶揄される向きもあるという。
ブラジルに進出する日系など外資企業にとって、労働者に対する過保護な政策が是正されることへの期待がある一方、経済の低迷の中でさらなる政治的混乱は大きなリスクとなっている。
茂木氏は「世界情勢が大きく動くなかで、既成政党から外れた過激で極端な人が国の元首になる傾向がある。今後大きな政策変更や法改正に対して自社事業への影響を特定し対処する仕組みが求められる。自動車関連をはじめ日系企業にとっては受難の時期が続く」と注意を呼び掛けた。
(了)
リスク対策.com:峰田 慎二
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/01/27
-
-
発災後をリアルに想定した大規模訓練に学ぶ
2026年1月14日、横浜市庁舎10階の災害対策本部運営室で、九都県市合同による大規模な図上訓練が行われた。市職員に加え、警察、自衛隊、海上保安庁、医療従事者、ライフライン事業者などが一堂に会し、市災害対策本部運営をシミュレーションした。
2026/01/26
-
-
-
報告すべきか迷う情報 × 最初の一言 × 隠蔽と正直の分岐点
ここ数年、データ改ざんによる不正が突然発覚するケースが増えています。製品仕様に適合していないにもかかわらず、データの書き換えが行われていたり、燃費データや排ガス成分濃度が改ざんされているなど、さまざまな分野でこうした事件は後を絶ちません。今年も、中部電力・浜岡原子力発電所において、安全データの改ざん疑いが発覚しました。 こうした改ざんを未然に防ぐことは、リスクマネジメントの最重要テーマですが、一方で、既に起きてしまっていることを前提として、いかに早く発見し、対処するかを考えておくことも危機管理においては重要になります。
2026/01/26
-
最優先は従業員の生活支援対策を凌駕する能登半島地震 石川サンケン
家電や自動車の電子制御に用いられるパワー半導体を製造する石川サンケン(石川県志賀町、田中豊代表取締役社長)。2024年元日の能登半島地震で半島内にある本社と3つの工場が最大震度6強の揺れに襲われた。多くの従業員が被災し、自宅が損傷を受けた従業員だけでも半数を超えた。BCPで『生産および供給の継続』を最優先に掲げていた同社は、従業員支援を最優先にした対応を開始したーー。
2026/01/23
-
-
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方