2026/06/15
防災・危機管理ニュース
【ワシントン、カイロ時事】米国とイランは米東部時間14日(日本時間15日)、戦闘を終結する覚書に合意したと発表した。スイスで19日に署名式を行った後、イランが事実上封鎖している原油輸送の要衝ホルムズ海峡を開放。米軍はイラン港湾に対する海上封鎖を解除し、船舶の通航を再開させる。両国ともに合意内容の履行は署名後に始まるとの認識で一致している。
署名に伴い、ホルムズ海峡の物流が正常化し、世界的な原油高騰などエネルギー危機が着実に収束するかが今後の焦点となる。ただ、現時点で覚書の全容は明らかになっていない。
トランプ大統領は14日、覚書について「合意が成立した」とSNSで表明した。ホルムズ海峡での通航料なしの自由航行を認め、米軍の封鎖解除を承認すると説明。合意が「地域全体に平和と安定をもたらす」と評価したほか、海峡開放に伴い機雷除去が行われる見通しを示し、原油輸送の拡大を呼び掛けた。
イランで国防・外交を統括する最高安全保障委員会も覚書に合意したと発表。米国が「覚書の義務」を果たす必要性を強調した。
交渉を仲介するパキスタンのシャリフ首相はX(旧ツイッター)で「和平合意」成立を明らかにした。米イラン双方が、レバノンを含む全ての前線で軍事行動を「即時かつ恒久的に停止すると宣言した」と述べた。
バンス米副大統領は14日にFOXニュースで、イランが核兵器を保有せず、開発や調達をしない確約が覚書に盛り込まれていると説明。署名後の60日間で、イランが持つ高濃縮ウランの処分方法や制裁緩和を議題とする核協議が開かれる見通しだが、議論は難航するとの見方が根強い。
署名式はスイス・ジュネーブでの開催が浮上している。米側はバンス氏が出席し、トランプ氏も参加する可能性がある。
関係国は、オンラインで14日に覚書に署名する方向で調整していた。しかし、イスラエル軍が同日、レバノンで親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点を狙った空爆に踏み切り、合意成立が危ぶまれた。ニューヨーク・タイムズ紙は、イランが予告したイスラエルへの報復を中止したと報じた。
◇米イラン合意のポイント
米イランの戦闘終結に向けた合意の主なポイント(仲介役のパキスタンを含め、当事者のいずれかが発表)は次の通り。
一、レバノンを含む全ての前線で軍事行動を即時かつ恒久的に停止する
一、合意の署名式が19日にスイスで行われる
一、合意署名後にホルムズ海峡が開放される
一、米軍による海上封鎖の即時解除を承認する
一、イランは署名後に合意を履行する
一、イランは核兵器を保有せず、開発や購入、調達をしないと確約
◇開戦後のイラン情勢(いずれも現地時間)
2月28日 米イスラエルがイラン攻撃、最高指導者アリ・ハメネイ師ら殺害
3月 2日 イラン革命防衛隊、ホルムズ海峡封鎖と主張
8日 イラン新最高指導者にモジタバ・ハメネイ師選出
4月 7日 トランプ米大統領、2週間の停戦表明
11~12日 米イラン、イスラマバードで対面協議
13日 米軍、イラン港湾を海上封鎖
21日 トランプ氏、イランとの停戦延長を表明
6月 7日 イラン、レバノン攻撃巡りイスラエルにミサイル発射
8日 イスラエルがイランに反撃。米軍ヘリ「アパッチ」墜落
9日 米軍、ヘリ撃墜の報復としてイラン攻撃
11日 トランプ氏、イラン攻撃予告も中止
14日 トランプ氏、イランとの戦闘終結で合意と発表
19日 合意署名式をスイスで開催へ
(了)
(ニュース提供:時事通信 2026/06/15-15:19))
(ニュース提供元:時事通信社)
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