【サンパウロ時事】「政府はどこ?」。ベネズエラで24日夕にマグニチュード(M)7を超える地震が連続で発生した後、SNSではこの言葉が飛び交ったという。ロドリゲス暫定大統領が国民の前に姿を現したのは、発生から3時間以上たった後。その間、多くの市民は被害状況や政府の対応が分からぬまま、助け合って避難や救助を進めることを余儀なくされた。
 政府当局の頼りなさは、救助活動でも露呈している。現地からの報道によると、災害規模に対し救助隊員が足りておらず、放置されている被害現場が複数ある。がれき撤去用の重機も不足していて、政府は民間に貸与を求めている。
 地震で鮮明になったのは、混乱期にあるベネズエラ社会の脆弱(ぜいじゃく)さだ。同国では今年1月の米軍事作戦でマドゥロ大統領が拘束された。10年以上続いたマドゥロ体制下では経済が崩壊状態に。政情不安により、人材も大量に流出。行政機能が低下し、大規模災害への対応力も弱まっていた。ハイパーインフレにより、インフラや建物の修繕が十分にされていなかったことも、被害拡大につながったと指摘されている。
 ロドリゲス氏は、かつて敵対していた旧体制派と米国の間でバランスを保つという難しい政権運営を強いられてきた。今回の地震により、災害からの復興という新たな課題も抱えることになった。進捗(しんちょく)次第では国民の不満がより高まる可能性もあり、細やかな対応が求められる。 
〔写真説明〕25日、ベネズエラ北部ラグアイラ州の被災地を視察するロドリゲス暫定大統領(前列右から1人目)(同国大統領府提供)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)