2026/07/03
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】トランプ米政権のベネズエラ攻撃から3日で半年。西半球重視の「ドンロー主義」を掲げて、他国の現職大統領を「麻薬テロ共謀罪」で拘束した衝撃は世界を揺さぶった。支持率低下に直面するトランプ大統領は中南米での威圧的行動で「次はキューバ」と狙いを定めており、11月の中間選挙に向けて再び過激な行動に出る可能性がある。
トランプ政権はベネズエラでの作戦直後、民主的な政権移行を目指す「安定」「復興」「移行」の3段階の再建計画を示した。バレット駐ベネズエラ臨時代理大使は1日、2度の大地震に見舞われた後も「計画は完全に維持されている」と主張したが、具体的な日程は示されておらず、先行きは不透明だ。
米シンクタンク「インターアメリカン・ダイアログ」のマイケル・シフター上級研究員は「ベネズエラ攻撃の最も重要な目的は、米国の軍事力の優位性を(中南米という)『裏庭』で示すことだった」と説明。「トランプ政権は目標達成のために武力行使する用意があるとのメッセージを送った」と語る。マドゥロ大統領拘束の「成功」は、対イラン軍事作戦の無謀な決断に影響したとの見方もある。
トランプ政権が、「国際法違反」の批判を浴びたベネズエラ攻撃を正当化した根拠は麻薬対策だった。5月に公表した国内外のテロ対策を示した指針「対テロ戦略」では、西半球の麻薬カルテル壊滅を掲げた。米軍は昨秋以降、カリブ海で「麻薬密輸船」への攻撃を繰り返してきた。エクアドルとは麻薬犯罪組織に対する作戦で協力している。
だが、米紙ニューヨーク・タイムズによると、密輸船攻撃を開始して以降も米国内でコカインは入手しやすいままで、末端価格は変化していない。密輸業者は陸上ルートに変更するなど別の手段を選んでいるという。シフター氏も「船の爆破は麻薬取引に実質的な打撃を与えていない」と指摘する。
ベネズエラやイランでの軍事作戦で目立った成果は見られず、トランプ氏の支持率は最低水準に落ち込んでいる。中間選挙が迫る中、大胆な中南米政策で政権浮揚を狙う可能性はある。トランプ氏は1月末以降、キューバの石油供給を事実上遮断し、軍傘下の複合企業への制裁を強化。社会主義体制の政治・経済改革を要求し、体制転換も排除しない構えを示している。
〔写真説明〕ハバナの米大使館前で、米連邦大陪審に起訴されたキューバのラウル・カストロ元国家評議会議長への支持を訴える市民ら=5月22日(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/07/05
-
「情シス任せ」「コンサル任せ」では終わる
社会機能の維持に欠かせない業種でサイバーインシデントが相次いでいます。事業停止の影響は一企業のビジネスの域を超えサプライチェーン全体に波及。いまやセキュリティは経営の重要課題です。企業を取り巻くサイバーリスクと求められる対策について、日立ソリューションズの扇健一氏と辻󠄀敦司氏に聞きました。
2026/07/03
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/06/30
-
-
-
W杯に水を差したDAZN契約プラン表示が原因で大炎上
世界最大のスポーツイベントであるサッカーのW杯が6月12日に開幕。日本は1勝1分けで決勝トーナメント進出を大きく引き寄せている。その裏でW杯の視聴契約を巡ってSNSで大炎上していたのが、スポーツコンテンツの配信会社であるDAZNだ。W杯の全試合を視聴できる年間契約プラン表記に問題があり、13日にお詫びを発表した。しかしその対応も反感を買い、炎上は継続。最終的には年間プラン自体を取り下げた。DAZNの何が問題だったのか、消費者問題に詳しい住田 浩史弁護士に聞いた。
2026/06/23
-
-







※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方