【ワシントン、テヘラン時事】米中央軍は7日、イランへの「強力な攻撃」を行ったと発表した。イランが原油輸送の要衝ホルムズ海峡を通航していた商船に攻撃したことへの報復としている。米財務省も同日、イラン産原油の購入を一時的に認める制裁緩和を撤回すると発表し、事態は緊迫している。
 米軍によると、イランの防空システムやホルムズ海峡沿岸のレーダー施設に加え、精鋭軍事組織「革命防衛隊」の小型船60隻以上を攻撃。イランメディアは、海峡付近の南部バンダルアバスやケシム島などで爆発音がしたと報じた。
 米軍は、イランがホルムズ海峡を通航していたサウジアラビアなどの商船3隻を攻撃したと指摘。「イランの不当な攻撃は明白かつ危険な停戦違反で、航行の自由を損なう」と非難した。
 一方、イラン軍中央司令部は8日の声明で「ホルムズ海峡の管理に関するいかなる介入も認めない」と批判。革命防衛隊は、バーレーンやクウェートにある米軍施設85カ所をミサイルや無人機で攻撃したと主張した。
 イランの商船攻撃を受け、財務省はイラン産原油の販売を2カ月間容認する措置を7日で取り消すと発表。米イランの戦闘終結の覚書に基づき、米政府は8月21日までの2カ月間、各国によるイラン産の原油や石油製品の購入を許可していた。米イランは覚書署名後、最終合意に向けた60日間の交渉期間を設けている。
 米当局者は制裁緩和の撤回について「イランとの覚書は、完全に履行状況に基づくものだ」と理由を説明した上で、「交渉担当者は最終的な合意に向けて誠実に取り組み続けている」と訴えた。イラン外務省は声明で「明らかな合意違反だ」と猛反発した。 
〔写真説明〕ホルムズ海峡のイラン南部バンダルアバス沖に停泊する船舶(イラン学生通信=ISNA=が6月18日提供)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)