迅速なワクチン開発を支援する国際組織「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」(本部ノルウェー・オスロ)のハチェット最高経営責任者(CEO)は、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)で感染が急拡大しているエボラ出血熱に対し、開発中のワクチンの大規模な臨床試験が今秋にも行われる可能性があると語った。1日までに、時事通信のインタビューに応じた。
 5月、コンゴや隣国ウガンダで流行が確認されたエボラ「ブンディブギョ株」には現在、ワクチンや治療薬がない。コンゴでは、7月29日時点で感染例が3532件、死亡者も1556人に急増。「非常に深刻な状況にある」(ハチェット氏)という。
 ハチェット氏は、既に初期の臨床試験入りしているブンディブギョ株ワクチンの有力候補は「早ければ9月末か10月、(導入に向けた)大規模試験に移行できると期待している」と述べた。CEPIはこれら開発を支援している。
 ハチェット氏は、感染症の流行阻止に必須なワクチンの開発では「スピードが重要だ」と強調。開発準備に投資が必要になると訴えた。CEPIは2027年からの5カ年戦略で25億ドル(約4000億円)の資金調達を目指している。
 一方、米欧主要国の対外支援は減少傾向にある。ハチェット氏は、援助削減は各国の国防費増大が背景とした上で、感染症流行は「経済や国家安全保障に影響する」と指摘。「感染症への備えは安保上の課題と見なすべきだ」と訴えた。
 CEPIは17年に発足。新たな感染症の脅威を特定してから100日以内のワクチン開発を目標に掲げる。30カ国以上が資金拠出し、日本はドイツに次ぐ第2位の拠出国。 
〔写真説明〕「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」のハチェット最高経営責任者(CEPI提供・時事)

(ニュース提供元:時事通信社)