人工知能(AI)の開発・活用に関する政府の「人工知能基本計画」の原案が5日、判明した。日本独自のAI開発も視野に国民の利用率を上げる必要があるとして、「まずは5割、将来的には8割」を目標に掲げた。研究開発を強化するため、1兆円規模の民間投資を呼び込む方針を打ち出した。年内の閣議決定を目指す。
 AIの開発は米中両国が先行。生成AIを利用したことがある個人の割合は、米国68.8%、中国81.2%に対し、日本は26.7%にとどまっている。
 原案は、社会全体で利用率を高めて開発につなげることの重要性を指摘。AIは「知的基盤・実行基盤」だとして社会インフラに位置付けた。
 その上で、AIの開発者や利用者、半導体メーカー、クラウド事業者などが一つの生態系となって発展していく「AIエコシステム」を構築し、海外に展開していくことでデジタル分野の貿易赤字解消につなげるとした。全省庁、将来的には全職員による利用も掲げた。
 1兆円投資の具体例として、人材確保や新興国へのAI産業展開支援、研究・開発基盤の整備を盛り込んだ。 

(ニュース提供元:時事通信社)