近年の猛暑に伴い、8月6日に広島市内各地である慰霊祭の開催方法が見直されている。遺族らが高齢化する中、熱中症防止に向け、式典のライブ配信や開始時間の前倒しが進められている。
 旧制広島県立広島第二中(広島二中、現県立広島観音高)1年生は、爆心地から約500メートル付近で屋外作業中に被爆し、その場にいた320人超の全員が犠牲となった。広島二中の同窓会は毎年8月6日、広島市中区の平和記念公園に建つ碑の前で慰霊祭を行っている。ただ5年ほど前からは熱中症による搬送者が増えたため今年初めてライブ配信を決めた。
 6日の慰霊祭は同窓会長や観音高代表ら約10人で行い、その様子を配信する。同高敷地に屋内視聴会場も設ける。同窓会の担当者は「特に遺族は碑の前で慰霊したい気持ちが強いが、暑さ対策に限界を感じた。慰霊祭を続け、若い世代に継承するためより良い方法を模索したい」と話した。
 犠牲になった広島二中1年井尻智夫さんの姉中川峰子さん(96)は「あの碑に行けば弟に会える気がする」と語る。ただ高齢のため慰霊祭への参列は数年前から見送っている。中川さんは「方法の見直しは仕方がないが、若い人に記憶を引き継いでほしい」と願う。
 生徒と教職員計369人が犠牲となった旧制広島市立中(現市立基町高)の慰霊祭は今年、開始時刻を例年より30分早い午前9時半に決めた。平和記念公園で6日に行われる市主催の平和記念式典でも、ミスト噴射の扇風機を設置し屋内会場で中継するなど、暑さ対策を強化している。 
〔写真説明〕平和記念公園内にある碑の前で行われた2025年の「広島二中」慰霊祭=同年8月6日、広島市中区(同窓会提供)

(ニュース提供元:時事通信社)