2018/10/26
事例から学ぶ

大阪市から関空への大動脈
南海電気鉄道は大阪市の難波から関西国際空港を特急「ラピート」により最速34分で結ぶほか、大阪府南部から和歌山県にかけての重要な交通機関となっている。9月4日に襲来した台風21号では関空連絡橋の破損に加え、尾崎駅が全焼するという思いもよらない被害も発生した。
南海では風水害などの自然災害が発生した場合の対策組織や応急処理等の基本を定めた災害対策規程を策定しているほか、鉄道や流通などの部門では防災計画を定めており、災害が発生した際には、これらに基づき対応することになっている。

台風21号については早くから大型という予測がされ、近畿地方を通過することも予測されていた。鉄道営業本部に対策本部が置かれ、8月31日には最初の会議が開かれた。9月4日の午後2時に沿線エリアに最接近することがわかったほか、規模が極めて大型ということも予測されていた。これまでの台風よりも一段階警戒レベルを上げた。
さらに、4日に同社初の計画運休を行うことを3日の午前8時に決定。関西空港の運営会社や沿線自治体のほか、同じく関西空港に乗り入れているJR西日本にも通知。正午にはプレス発表を行った。計画運休についてJR西日本は近年、大雨や台風の予測があると早目の発表を行っており、南海もこれを参考に8月に実施プランを作成。この台風21号が初の実施となった。4日午前9時から徐々に運行本数を減らし、正午過ぎには完全に運転をとりやめ車両を車庫など安全なところに退避。台風の最接近に備えていた。
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