秋田県に日本最大規模の人工知能(AI)向けデータセンター(DC)を建設する計画が進んでいる。秋田市のサーバー管理会社や米スタートアップ(新興企業)が主導し、整備費は2兆円規模を見込む。県や市と連携し、DC建設を起点にAI関連企業や人材の集積を狙う。
 計画を主導するのは、秋田市に拠点を置くエスツーと米ビットグリット。市北部に整備予定の県と市の工業団地が候補地で、2030年以降の稼働開始を目指す。DCの規模を示す総受電容量は国内最大級の最大500メガワットを想定。関係者によると、需要や設備の拡張状況に応じて数兆円の投資が上積みされる可能性がある。
 両社が特別目的会社(SPC)を設ける形で、国内外の金融機関やファンドなどから投融資を募る計画で、アラブ首長国連邦(UAE)の政府系ファンドが関心を示しているという。
 稼働に必要となる膨大な電力は、秋田県沖で整備が進む洋上風力発電をはじめとした再生可能エネルギー電源から供給を見込む。県は国によるグリーントランスフォーメーション(GX)戦略地域の1次審査を通過しており、今夏に最終審査の結果が公表される。選定されると、電力インフラ整備などで国の支援が受けられる可能性がある。
 19日にはUAEの駐日大使らが秋田を訪れる。DC建設に向けた投資計画や地域産業振興など、知事や市長らと幅広く意見を交わす見通しだ。
 エスツーの須藤晃平最高経営責任者(CEO)は時事通信の取材に対し、DC建設による通信インフラの整備を踏まえ、「自動運転やドローン(関連の企業)を誘致したい」と説明。「できればAIスタートアップにサーバーを安く貸したい」との展望も明かした。
 秋田県の鈴木健太知事も「研究開発など、国内有数のデータセンターの近傍でないとできないことがある」と強調。大学などと連携し、AI関連の先端研究や人材育成を後押ししたい考えを示した。沼谷純秋田市長は「関連する産業の集積に期待している」と話した。 

(ニュース提供元:時事通信社)