熊本地震の被災地で、避難生活を送る人たちの衣類を地元のクリーニング業者が無償で洗濯している。熊本県氷川町の「ホワイト急便宮原工場」では、被災者から預かったタオルや下着などを1日1000枚以上洗い、避難所へ届ける。関原博章所長(36)は「地域住民のおかげでクリーニング店が成り立っている。こういう時だからこそ少しでも恩返しできれば」と話す。
 工場は7日から、営業日の朝に複数の避難所を車で巡回。衣類が詰まったバッグを回収し、工場で洗濯、乾燥させた上で、被災者へ届けている。
 従業員の松村紀代美さん(53)は、衣類を渡すため訪れた避難所で、スタッフから「きょうは早く来てくれたね」と声を掛けられた。「『いつもありがとう』と言ってもらったこともあり、やってよかったと思う」とはにかむ。塚本美穂子さん(64)は、乾いたばかりのTシャツやズボンを畳みながら「家が壊れたりお風呂に入れなかったりする被災者の助けになりたい」と話した。
 連日厳しい暑さが続く被災地では、避難所で衣類を手洗いしたり、洗濯のため壊れた自宅へ戻ったりする人もいる。関原さんは「被災者が少しでも気持ちよく生活するための手伝いをしたい」と力を込める。
 こうした活動を支えるのは、2024年の能登半島地震を機に全国のクリーニング業者有志で結成された「災害洗濯支援チーム(DSAT)」だ。熊本県クリーニング生活衛生同業組合などと連携し、八代、宇城両市の地元業者にも協力を呼び掛けた。洗濯代はDSATへの支援金などから支払う。
 DSATの中村祐一代表(42)は「猛暑の中の避難生活では、衛生的な環境を保つことが重要だ」と強調。今後、倒壊した家から取り出した衣類の洗濯需要が増えることなどを見据え、「要望がある限り支援していきたい」と語った。 
〔写真説明〕被災者の洗濯物を畳む「ホワイト急便宮原工場」の塚本美穂子さん=21日、熊本県氷川町

(ニュース提供元:時事通信社)