【カトマンズ時事】土石流による負傷者約45人が搬送されたネパール首都カトマンズの病院には多くの人が駆け付け、名簿を確認したり、職員に尋ねたりして行方の分からない親族を捜した。しかしほとんど手掛かりは得られないようで、人々は「何も情報がない」と焦燥感を募らせていた。
 病院入り口で力なく座り込んでいたカトマンズ近郊の農家ティラク・バハドル・タパさん(65)は長男(40)、次男(30)と連絡が取れていない。息子2人はいずれもトラック運転手で、発生当時、同じ車で中部ラスワ郡ティムレの丘陵地帯を走行中だったという。
 タパさんは長男とその約30分前に電話であいさつを交わしたが、直後に電話がつながらなくなった。「家族の面倒見が良く、勤勉だった」という2人。タパさんは「どうしたらいいか分からない」と顔をゆがめた。
 中部ダディン郡の主婦スニタ・シュリスタさん(40)もティムレで消息を絶ったトラック運転手の息子(26)を捜している。自ら現場に向かおうと考えたが道路状況が悪く断念。病院で搬送者リストを確認したものの、名前はない。「息子は何も悪いことはしていなかったのに」と話し、立ち尽くしていた。 
〔写真説明〕28日、ネパール・カトマンズの病院で、搬送されてきた負傷者や行方不明者の名簿を確認する親族ら
〔写真説明〕28日、ネパール・カトマンズの病院の壁に掲示された行方不明者の写真
〔写真説明〕28日、ネパール・カトマンズで、連絡の取れない息子2人を捜しているティラク・バハドル・タパさん(右)

(ニュース提供元:時事通信社)