2019/01/18
防災・危機管理ニュース

阪神・淡路大震災から24年を迎えた17日、東京都千代田区の日比谷公園で追悼集会が行われた。「阪神淡路大震災1.17のつどい」実行委員会が初めて東京でも実施。フェイスブック ジャパンが協力し、被災地である兵庫県神戸市の会場と中継で結んだ。残された写真などを公開するデジタルアーカイブページ「1995.1.17kobe」の紹介も行われた。
実行委員会の代表はNPO法人・阪神淡路大震災1.17希望の灯りの藤本真一理事長。日比谷公園を訪れた藤本氏は「震災を知っている世代から知らない世代に経験をつなぎたい。神戸以外の様々な地域の人と災害について考え、発信の拠点にする。来年も東京で集会を実施したい」と述べた。被災者が当時の経験を語ったほか、「1.17」の文字をろうそくで形作り点火。発災時刻から12時間後の午後5時46分に黙とうが行われた。

今回の追悼集会はフェイスブックライブの機能を使い、神戸の会場と中継で結びながら行われた。フェイスブック ジャパン執行役員・広報統括の下村祐貴子氏は24年前に兵庫県芦屋市で被災したことを振り返り、「当時は必要な情報が全然見つからなかった」と述べた。フェイスブックは2011年の東日本大震災をきっかけに、災害時の機能を強化。「災害支援ハブ」と呼ばれる機能では被災エリアにいる場合にワンタップで安否を知らせる、さらにエリアにいる人に安否情報をリクエストする災害時安否確認機能である「セーフティチェック」以外に、「コミュニティヘルプ機能」という、物資などの支援をしたい人と求める人のマッチングやメッセージ、情報のやりとりができる機能も追加されている。
フェイスブックではアーカイブページについて1年近く前から準備を進めていたという。現在から発災の1995年1月17日午前5時46分まで時系列で写真や動画など約2500点の資料を展示。ユーザー同士でコミュニケーションをとる機能もある。今後も資料を追加し、震災の記憶をつないでいくことを目指す。
■「1995.1.17kobe」
https://www.facebook.com/1995.1.17kobe/
■関連記事「つながり支援や企業連携で災害対策強化」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/11667
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方