2.雪が降る前に

■天気予報をみる
南岸低気圧で雪が降るか降らないか、低気圧の位置や地表近くのわずかな気温の変化によって雨になったり雪になるので、「雪」やその量を予測するのは気象予報士泣かせのようである。ただし、南岸低気圧が来ることは関東豪雪には必須であるのは確かである。マスメディアで流される天気予報の他に、気象庁の発表する数値予測を分かり易く説明したサイトが参考になる。

■気象予報士Kasayanのお天気放談
http://blog.livedoor.jp/kasayan77/

■週間寒気予想
http://www.ystenki.jp/kanki.html

3.雪が降ったら

■休む 
鉄道も道路も非積雪地域では雪に脆弱である。豪雪地の様な備えはコストが掛かるため、滅多に雪の降らない地域で備えが十分で無いのはやむを得ない。危急の要件が無ければ、自分の判断で休むのも大事だろう。

■車は運転しない 
スタッドレスタイヤ履き替えを勧めるのと矛盾するようだが、除雪体制の無いに等しい関東地方で5年前の様な豪雪になれば、どんな車でも走行困難である。また、少なくてもほとんどの車が現状ではノーマルタイヤ。沖縄県を除く都道府県では、条例で降雪時に滑り止めを付ける(記述の詳細は少しずつことなる)ことを義務づけているが、守られていないのが現状である。雪道運転にも慣れておらず、チェーンを付けたタクシーが坂道で空転しているのを見たことが昔ある。救急車、消防車といった命と財産を守る車両を最優先して、運転を控えてほしい。

■雪を落としてから運転を! 
やむをえず車を運転する場合は、雪下ろしワイパーで先に雪下ろしをすること。これはスキー場に来るドライバーも守ってほしい。大きな雪の塊が落ちると後続車に危険である。実際、教え子で高速道路で突然の雪の塊をよけきれずぶつかって車が廃車になったことがあった。車だけならよいが人命に関わる恐れがある事故だ。下ろさず走ってブレーキを掛けると落ちた雪でフロントガラスが覆われて前が見えなくなることがあるのでドライバー自身にとっても危険だ。

 

■カーポートの下には入らない! 
南岸低気圧の雪は湿って重い。雪の上から雨が降ってさらに重くなることもよくある。非降雪地域で使われているL字型の片持ち屋根のカーポートは雪の重みに弱い。愛車を守りたいのはよく分かるが。決して降雪後にカーポートの下に入ってはならない。まずは命である。

■落雪に注意! 
一気に50cm積もった後に気温が上がれば、雪の塊が屋根を滑って落ちてくる。筆者はこれで自分の車の屋根をつぶしたことがある。凸に盛り上がっているはずの車の天井が朝行ってみたら凹んでいて驚いた。そういえば、夜中に「ドスン、ドスン」と雪の塊が落ちる音が繰り返ししていたのだった。その場に居合わせたら首が折れて命を落としただろう。雪国では、屋根のひさしに近寄らないのは常識。危険箇所に赤いパイロンを置くこともよくある。一気の気温上昇、あるいは雪の上から雨が降った時は特に注意が必要だ。

 
 

■通れる通れない情報はSNSが有用 
雪道の路面状態はほんの10m、20mで大きく変わる。「ここは通れる」「ここはガタガタで要注意」といった極めてローカルな情報は、そこで生活している市民が一番持っている。マスメディアや行政が流すにはミクロ過ぎて、さらに雪解けや車の通行によって1時間で様子が変わることもよくある。そんな時一番役に立つのがSNS。2018年の福井豪雪ではフェイスブックの福井災害情報(現在はグループ内公開、承認制)、新潟県三条市の豪雪ではツイッターのケンオー・ドットコム(@kenohcom)が、こうした情報のハブの役割を果たした。