出典:story set

ハワイといえば、美しい砂浜と澄んだ海。しかしこの夏、楽園は突如として大きな悲劇に見舞われました。8月、ハワイ州マウイ島で大規模な山火事が発生し、多くの人たちがその報せに驚きました。

特に、多くの観光客が訪れる歴史的な町、ラハイナは甚大な被害を受けました。今のところ、115人以上がこの火災で亡くなっていることが確認され、被害総額は数十億ドル※1、日本円で数千億にも上ります。日本からは政府が200万ドルの支援を決定し、ハワイ州と友好関係にある北海道からは、合計で200万円の寄付が贈られました。さらに、多くの航空会社や旅行会社も支援の呼びかけや寄付を行っています。

とはいえ、ハワイと深い繋がりを持つ多くの企業やブランドは、支援を行いたいという強い気持ちがあるものの、どのような助けを提供できるかその方法を模索しています。今回は、そのような企業のために事例を紹介し、このような場合の適切なコミュニケーション方法について考察します。

ホーメル・フーズの取り組み

マウイ島の山火事は、多くの人々が心を痛めました。このようなときには、企業やブランドがどのようにコミュニティと連携し、支援を行うかが試されます。そのような中で、ハワイで非常に人気のある食品「スパム」の親会社、ホーメル・フーズが示した取り組みは、企業の社会的責任に対する真摯な姿勢を示した好事例です。

スパムは、ハワイで非常に愛されている食品であり、これまで人々の食生活に欠かせない存在として支えられてきました。自社のプロダクトを長く愛してくれた地域に対し、ホーメル・フーズは大規模な援助活動を展開しました。2023年8月17日付のニュースリリースによれば、ホーメル・フーズは265,000缶以上のスパムをハワイに送付したのです。

この取り組みは、自然災害の被災地に援助を届ける非営利団体「コンボイ・オブ・ホープ」との協力の下、実施されました。これまでに3台のトラックにスパム製品を積み込み、さらに2台分を送ったとのことです。これらの寄付は100万ドル以上の価値があるとされています。

また、ホーメル・フーズは、"SPAM® Brand Loves Maui "と書かれたTシャツの販売を開始しました。このTシャツの収益の100%は、マウイ島火災救済基金として、アロハ・ユナイテッド・ウェイという団体に寄付される予定です。さらに、同社は地元のフードバンクへの募金活動にも協力を続けています。

出典:SPAM.com マウイ島火災救済基金”SPAM® Brand Loves Maui”

公式SNSでは、「マウイ島の "オハナ(家族)"たちへ」というメッセージを発信。「私たちは信頼できるパートナーとともに、どのような支援ができるかを考えてきました」という心温まるコメントを添えています。

 

 

この取り組みは、ホーメル・フーズが過去に行ってきた支援活動の延長線上にあります。同社は、コンボイ・オブ・ホープやワールド・セントラル・キッチンといった団体と提携し、自然災害の被災地で食糧不足に悩む人々の支援を続けてきました。特にハワイとの深い絆があるため、今回の取り組みはさらに特別な意味をもたらしています。

現在、ホーメル・フーズは年間700万缶のスパムをハワイに出荷しており、これはハワイの「実質的な国民食」とも言える存在です。コンビニから高級レストラン、そしてマクドナルドまで、ハワイのあらゆる場所でスパムを楽しむことができます。

このような背景を持つホーメル・フーズの支援は、単なる企業の社会貢献活動を超え、深い愛と絆を感じさせるものとなっており、各メディアでも取り上げられました。