おせっかいな質問に周りの人は辟易しているかも(出典:写真AC)

ゆううつなランチタイム

お昼のベルが鳴り、ランチタイムがやってきました。中堅商社の経理課で働くA子さん(27歳)が、パソコン作業で凝り固まった首をぐるぐる回してから何気なく視線を上げると、その先にはB子先輩の笑顔が(あー、また捕まっちゃった)。ここ最近、A子さんはランチタイムが苦痛です。その訳とは……。

オフィスからほど近いレストランに入った二人。「ねえねえ、この前の週末どこ行ったの?」先輩OLのB子さんが、メニューを選びながら聞いてきます。

「えーっと……河口湖までドライブに。」するとB子さん、メニューから顔を上げてニンマリ。
「例の彼氏と? 確か半年前の合コンで知り合ったんだよね?」
「ええ、まあ。」
「で、どう? 話は進んでるの?」
「え、話って?」
「やぁだー、決まってるじゃない、結婚話よ~。いつご両親に紹介するつもり?いい?そういうのはね、タイミング逃しちゃダメよ!」

B子さんは独身の38歳で経理課の主任です。女性社員のリーダー格でテキパキと仕事をこなし、上司からも後輩からも頼られる存在です。A子さんも、新卒の頃から何くれとなく面倒を見てもらい、何度か仕事のピンチを救ってもらったこともありました。

そんな調子で面倒見がよく姉御肌なのはいいのですが、先週のランチでは今住んでいるアパートの家賃や父親の年収まで聞かれるなど、プライベートに深く踏み込むような質問を繰り返すB子さんに、A子さんは正直迷惑していました。

A子さんも、最初は気にしないようにしていましたが、そのうちランチに誘われるのがゆううつになりました。かといって、面と向かってランチを断るのも角が立つのではないかと考えると、なお一層気が滅入ってしまい、このままでは会社に行くのがイヤになりそうです。ただ、会社が用意した「職場の困りごと相談室」に話す勇気はありません。