2019/03/12
地域と企業のBCP
ご近所さんという地域をともに守るチーム
この“読み解き”を忙しい仕事の合間に行うことはなかなか難しいでしょう。読み解きには、昔から地域のことを知っているご近所さんや市町村役場の担当者からのアドバイスが欠かせません。
自社の事業に対して自然災害の影響を回避し、被害を最小限に抑えるためには、あらかじめこれら情報を理解して、対策を講じておくことが必要です。そのためには行政から発信される情報に敏感になっておくこと、新しい情報が得られたらいつでも相談できるように担当窓口を確認しておくことなどが必要でしょう。
さらに、隣近所で老舗と呼ばれるような店舗や長く住んでおられる方に、過去にどのような災害があったのかお聞きすることも有効です。過去に発生した災害は今後も発生する可能性があります。
いかがでしょうか?
地域との関係性はすぐにできあがるものではありません。日頃から自社周辺の清掃をこころがける、積極的に挨拶を交わす、車通勤の社員には運転マナーを教育するなど、明日からできることはたくさんあります。
少しハードルが高いかもしれませんが、ぜひ町内会や市町村役場が実施している防災訓練に参加してみてください。訓練に参加することで、自社のイメージアップにもつながりますし、どのような方が地域の担い手なのか顔が見えてくるでしょう。
訓練に参加する中で、自社への期待を受ける場面もあるかもしれません。恐らくどこの企業も災害発生時は自社内の対応で手一杯でとても地域への協力などできないと感じるでしょう。地域からの期待と自社の事業継続との狭間でジレンマに陥ることもあるかもしれません。
地域との関係性を「社会貢献」ととらえて構えてしまうと負担に感じるかもしれませんが、社会インフラを共有し、共存している「ご近所さんというチームの連携」ととらえてみてはいかがでしょうか。
地域で被害が発生しなければ自社に被害が及ぶ可能性も低くなります。自社の自助として事業所が所在する「地域を守る活動」をご近所さんとチームで行う。
このことは、自社のBCPの実効性を高める上で非常に重要で効果の高い対策といえるのではないでしょうか。
(了)
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