2019/03/18
安心、それが最大の敵だ
敗戦直後の復興計画
東京都は、敗戦後2週間もたたない昭和20年8月、復興計画の概要「帝都再建方策」(石川原案作成)を発表した。それは<理想的な復興計画>といえる。
計画の主要な目標として、
一、 都内の住宅は敷地75坪(約248)に一戸建設し、その周囲に自給農園をつくる
二、 道路は幅50~100mのものを数十本つくる。
三、 大緑地を数か所に造る。
四、 学園街を緑地帯の周辺に35カ所造る。
五、 消費だけの都市から生産都市に変える。などの提案を行った。
「最初から国家百年の大計のもとに根本的な計画を樹てるべきだ」。石川の方針である。注目すべき点は、将来の東京の人口を300万人に想定したことである。だが現実は、都の人口はその後も急増を続け、人口300万という目標は根本から崩れていく。
石川は、昭和20年11月に創設された戦災復興院(以下、復興院)総裁に小林一三(いちぞう、電鉄・電力界の実力者で阪急電鉄創始者)が就任したことを歓迎していた。石川は、「帝都改造計画要綱」の作成を進めている戦時中の19年(1944)11月に既に小林の前でそれを報告していた。「そこへ復興院が出来、何と小林一三さんが総裁というヒット人事であった。これは愉快な事になったぞとよろこんでいるある日、私は呼び出された。復興計画が出来ているなら、皆に説明してほしいというのである」(石川「私の都市計画史」)。
「帝都再建方針」の発表から4カ月しか経っていない昭和21年(1946)1月「帝都復興計画要綱案」が発表された。これは小林復興院総裁、財界、知識人からの意見も聴取して石川によって作成された。背景にはGHQの「早急に復興計画を提示せよ」との指令もあった。基本方針は
○主要目標
(1)太陽の都市:木造家屋の密集した、満足な日照りもない町でなく、公共住宅と広い芝生のある衛生的な住宅街にしなければならない。
(2) 友愛の都市:お屋敷町の多い町をつくるのではなく、都民一人一人が住み良い都市としなければならない。
(3)慰楽の都市:個人が小さな庭をもつことではなく、広い公共の広場や庭園を造っていくことだ。
(4) 無交通の都市
(5)食糧自給度の高い都市
(6)文化の都市、都民の生活向上の為の健全な町づくり
(7)生産の都市
(8)不燃の都市
○基本方針と計画
(1)計画人口 区部において350万人(1946年「都市地転入抑制緊急措置令」、1949年解除、1947年500万人を超える)
(2)不燃都市の建設、防災地域の指定3360ヘクタール(1946年8月)
(3)公園緑地の施設の整備、大公園 4カ所約62ヘクタール、中公園 20カ所約75ヘクタール、緑地34カ所約3200ヘクタール(1946年4月)
(4)交通施設整備、街路計画に重点が置かれた。(1946年3~4月)。放射状34路線、環状線9路線、補助124路線。
(5)土地区画整理事業の促進、土地区画整理事業地2万130ヘクタール(1946年4月)
(6)都市の過大化防止
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