2019/05/07
本気で実践する災害食
給食が理由で授業ができないのは本末転倒
いくつか問題提起してみたいと思います。
1. 給食の調理ができないから、授業を午前中でカットするというような、給食がネックになって授業ができないのはどう考えてもおかしい。これは本末転倒です。平常時に災害発生時の給食代替案を企画し準備しておかなければなりません。
2. 学校は、非常事態が生じた時のために児童用の備蓄を3日分、校舎内に備蓄しておく必要があります。それを食べて、午後の授業をした方がいいと思います。ここでいう「非常事態」は、学外に事故、事件が発生し、学外に出ると危険が伴うので帰宅しない方が安全な場合のことです。地震で家に帰すことが適切だったでしょうか?
3. もしそれができないなら、自治体が備蓄している避難所対応のための備蓄品を出して食べます。主食(ご飯もの、パンなど)と飲み物(例えば野菜ジュースなど)のセットが必要です。
4. 休校になった最も大きな理由は、地震発災後9日間ガスが停止し、給食の調理ができなかったためです。このような理由で、授業を休んでいいのか。プロパンガスを設置するなり、他の熱源を確保するなり代替措置が必要ではないでしょうか。
5. 根本的には、災害時に完全給食を望むのはおかしいでしょう。非常事態なのだから、ありあわせの食べ物で我慢しなければなりません。臨機応変を学ぶ絶好のチャンスです。発想の切り替えが必要です。
今後、再三災害が襲うでしょう。その時にどう立ち向かうか、学びの機会にしてほしいと思います。
Q&A
Q.生徒が休校もしくは昼前に帰宅すると、保護者は勤務で家に不在です。生徒は留守番役で不安です。学校にいるほうがむしろ安全ではないでしょうか?
A. そうですね。特に低学年は不安です。そのためにも給食は不可欠です。しっかり対策を立てないとダメですね。早急に皆で知恵を絞りましょう。
Q. 普段から災害に備えて調理場なしでも給食を用意するプログラムを作り、学校を挙げて訓練する必要があると思います。どんな方法がありますか?
A. 例えば、アルファ化米(五目ご飯)にお茶や野菜ジュースを入れて室温で戻すなど災害食を使います。ガスも電気も水道も不要で、教室でできます。
「リンカーンに学ぶ災害食訓練」を読んでみてください。
→https://www.risktaisaku.com/articles/-/16615
Q. 市の危機管理部門が備蓄している災害食を児童に流用できないのですか?
A. 今回は教育委員会と危機管理課との連携ができていないようです。聞き取り調査でも「市の備蓄品は校舎内にありましたか?」と尋ねますと、「管轄が違うので知らない」と6市の教育委員会とも答えています。両者は共助の立場から最善を尽くす態勢づくりをぜひ進めてもらいたいものです。市は公助の精神が不足しています。縦割り行政の弊害が出ないように頑張ってほしいですね。
(了)
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