2016/05/17
防災・危機管理ニュース

「平成に入ってからの災害の発生状況は、貞観時代に酷似している。『災害は忘れない頃にやってくる』と考え、対策を練る必要がある」と警鐘を鳴らすのは、跡見学園女子大学教授の鍵屋一氏。
「歴史上、災害は15年から30年の間で立て続けに発生している。貞観時代も肥後の国(現在の熊本県)で地震が起きていた。今後、阪神・淡路大震災から30年以内に首都直下地震や南海トラフ地震が発生する可能性は高い」と語気を強める。
『貞観の時代』
863年 越中・越後で大地震(北陸)
864年 富士山や阿蘇山が噴火
868年 播磨・山城で大地震(関西)
869年 M8以上の貞観地震(東北)
その後、肥後、出雲、京都、千葉で地震
878年 南関東でM7以上の直下地震
887年 M8以上の東海・東南海・南海の三連動地震
この間は25年!
1586年 飛騨、美濃、近江でM8級の天正大地震(関西)
1596年 伊予、豊後、伏見でM7級の慶長地震(関西)
17世紀初頭 十勝沖から根室沖までM8.4級の地震
1605年 M8以上の東海・東南海・南海 三連動型の慶長大地震
1611年 M8級の慶長三陸地震(東北)
1615年 慶長江戸地震
この間は30年!
『元禄・宝永の時代』
1703年 M8級の元禄関東地震
1707年 M8.4の東海・東南海・南海三連動型の宝永地震、
同年 富士山が噴火
1717年 M7.5宮城県沖地震(東北)
この間は15年!
『大正・昭和の時代』
1923年 M8 関東大震災(関東)
1936年 M7.4宮城県沖地震(東北)
1944年 M8.2東南海地震(中部・関西)
1946年 M8.4南海地震(関西、四国)
1948年 M7 福井地震(北陸)
この間は26年!
『平成の時代』
1995年 阪神・淡路大震災(関西)
2004年 中越地震、その後中越沖地震、能登半島地震、岩手・宮城内陸地震
2011年 M9の東日本大震災(東北)
20XX年 首都直下地震?
西日本大震災?
富士山噴火?
25年後なら2020年!?
30年後なら2025年!?
(提供資料:鍵屋氏)
鍵屋氏は熊本地震発生直後から被害の大きかった益城町に入り、自治体を支援した。「これからも大きな災害は必ず発生する。その時の防災の決め手は『ご近所力』。普段から地域の市民やNPO、企業などを巻き込み、共助の防災体制を作らなければいけない」と、平時からの地域における防災の取り組みの重要性を強調した。
(了)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年9月26日配信アーカイブ】
【9月26日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:2023年7-9月四半期振り返り
2023/09/26
-
-
GX支援のアイ・グリッド 防災・BCPへの訴求を強化
企業向けグリーン電力供給のアイ・グリッド・ソリューションズは、気象災害の激甚化からレジリエンス対策のニーズが高まるとみて、防災・BCP面の訴求を強める考えです。このほど、エネルギーリスクと独立電源に対する意識を調べるため、全国の経営者にアンケート調査を実施。事業継続に加えて地域貢献への意向が強いことがわかりました。
2023/09/21
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年9月19日配信アーカイブ】
【9月19日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:未知のリスクに備える
2023/09/19
-
「回復」から「成長」へ 復旧フェーズを格上げ
フッ素樹脂メーカーのニッキフロンは2019 年の台風19号で本社工場機能の大半を喪失。被害と財源を見極め早期に復旧方針を決めると、主要製造ラインの迅速再開と代替生産で出荷の維持に努めました。一時は大幅に売上を落としたものの、取引先などの応援もあって、1年半後には被災前と同レベルに回復、その後は新たな成長フェーズに入っています。
2023/09/18
-
花王のリスクマネジメント改革
1890年に高級化粧石けん「花王石鹸」を発売してから130年以上にもわたり、家庭で愛用される、洗剤を中心としたさまざまな製品を世に送り出してきた花王株式会社。1999年にリスクマネジメント体制を整備した同社は、2016年にリスクマネジメントの改革に乗り出した。現在は、ERM(全社的リスクマネジメント)を展開し、将来直面するだろう未知のリスクにも対応できる体制を整えている。
2023/09/18
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方