2016/05/24
誌面情報 vol55
リアルタイムのログ相関分析でIT 資産を守る
自社システムからデータセンターの運用まで、ICTのトータルサポート事業を行う株式会社ピーエスシー(東京都港区)は、高度化するサイバー攻撃への対策として、さまざまなセキュリティ機器のログ情報を収集し、相関分析を行うことで、早期に攻撃を検知するサービスを展開する。
サイバー攻撃対策における最大の課題は、組織内のセキュリティの脅威を見つけられないこと。この課題に対するソリューションとして、同社では、日本IBMの「QRadar」を活用したサービスを提案している。
QRadarは、組織内に導入した様々なセキュリティ製品やネットワーク製品などからログ情報を一元的に収集して相関分析を行い、リスクの高いセキュリティー・イベントの発生やその内容を管理者に警告するというもの。ここに、24時間、365日、トータルでICT環境をサポートするピーエスシーのサービスを組み合わせた。
従来のログ管理製品は、最低限のコンプライアンスの標準を満たすために、ログを収集、保管して、きちんと検索できるような状況にしておくことが基本性能として求められたが、ログを分析できても攻撃をリアルタイムで知らせてくれる機能がなかった。ただ、最近では、SIEMと呼ばれる製品群が台頭し、ログ管理やコンプライアンスレポートに加え、アラートを出す機能も備えているが、その活用は高度なスキルが求められる。IBMが提供するQRadarは、使いやすさを追求し、豊富なテンプレートによるビジュアル化で、ユーザー企業の担当者が十分使える内容になっているという。
株式会社 ピーエスシー
〒105-0011
東京都港区芝公園 2-2-18 オーク芝公園ビル
TEL 03-3435-1044 / FAX 03-3435-1418
サイバー攻撃対応訓練を支援
ニュートン・コンサルティング株式会社(東京都千代田区)は、本格的なサイバー攻撃を想定した訓練支援を展開する。同社は英国でのコンサルティングの実績が豊富で、金融機関へのセキュリティ支援も行っている。
同社によれば、欧米では、金融機関を中心に、特に最近、サイバー演習に力を入れている。例えば、2012年のロンドンオリンピック前には、英国の金融庁が金融機関だけでなく様々な組織を巻き込み「マーケットワイドエクササイズ」と呼ばれる大規模演習を実施した。経営層を巻き込んだディア・チェアマン・エクササイズと呼ばれる演習なども行われている。
同社CISO/プリンシパルコンサルタントの内海良氏は「サイバーセキュリティは経営課題の1つ。サイバー攻撃などの演習をすると、とかくIT部門の人だけが忙しくなるが、弊社で訓練を支援する際は、なるべく経営や広報、それ以外の部門も加われるように様々な状況付与をするなど工夫している。また、サイバー攻撃といっても、最初は本当にサイバー攻撃かわからないことも多いため、経営層にいつの時点で報告を上げるのか、上げるとしたらどのように情報を整理して説明するのかも、検証してもらう内容にしている」とする。内海氏は、演習を行う際のポイントとして、まず、目的を明確にした上で、範囲、参加者、時間軸(発災からの期間)などを決め、方法を考えることが大切と説く。さらに、サイバー攻撃なら、演習の入り口(攻撃手法)と出口(具体的な被害)を設定し、その間のシナリオをいろんな関係者に入っていただき、さらにCSIRTの役割や行動も具体的に検証できる内容にすることで、対応力を身に付けてもらっているとする。
ニュートン・コンサルティング株式会社
〒102-0083
東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビルディング9F
TEL 03-3239-9209 / FAX 03-5913-9950
誌面情報 vol55の他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/21
-
「防災といえば応用地質」。リスクを可視化し災害に強い社会に貢献
地盤調査最大手の応用地質は、創業以来のミッションに位置付けてきた自然災害の軽減に向けてビジネス領域を拡大。保有するデータと専門知見にデジタル技術を組み合わせ、災害リスクを可視化して防災・BCPのあらゆる領域・フェーズをサポートします。天野洋文社長に今後の事業戦略を聞きました。
2025/10/20
-
-
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方