2016/06/20
誌面情報 vol55
サイバー攻撃の正体

サイバーディフェンス研究所上級分析官
名和利男氏
サイバー空間における脅威には、国家レベルの問題となり得るサイバーテロやサイバー戦、組織の存続を脅かす問題となり得るサイバースパイ、その他、興味本位による攻撃や、単に周りからの影響で攻撃に加担したものなど様々であり、それらを明確に分けて考える必要がある。このうち、今回は特に影響の大きい、攻撃的、挑発的な事例を紹介するとともに、防御側である我々の現状と、今後の対策などについて説明する。
サイバー攻撃で最近わかってきたことは、攻撃者の9割近くが子どもであるということだ。ネット上の攻撃者コミュニティとコンタクトをとってみると、その実態はマンガの話題で盛り上がる10歳前後の子供であった。
サイバー攻撃の基本的な流れは「アクセスの獲得→マルウェアの設置→管理権限獲得および情報搾取→実被害」となり、これは昔からさほど変わっていない。
他国における最近のサイバー攻撃事例
他国の被害事例では、日本でも今後発生が懸念されるものとして、サイバー攻撃によりフランスのテレビ局で11チャンネルの衛星放送が停止したことや、ウクライナの電力会社で8万世帯以上の電力が計画外に停止されたことなどがある。特に後者の事例は、電力の小売自由化が始まった日本において身近な脅威となるものであり、大手関連企業では対策は強化されてきているものの、高度なサイバー攻撃に太刀打ちできるレベルとは言い難い。
誌面情報 vol55の他の記事
おすすめ記事
-
-
エマージング・リスクにどう備える1組織だけでなく、社会としての対応が必要
エマージング・リスク(emerging risks:新興リスク)と呼ばれる、これまであまり認識されていなくて急に出現するようなリスクへの関心が世界的に高まっている。10月にはエマージング・リスクの国際規格「ISO31050」が発行された。今なぜエマージング・リスクへの関心が高まっているのか、組織はどう対応していけばいいのか、日本リスクマネジメント学会(理事長:亀井克之関西大学教授)関東部会の会合で、会員に聞いた。
2023/12/02
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年11月28日配信アーカイブ】
【11月28日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:今こそ学び直す!南海トラフ地震臨時情報 その1
2023/11/28
-
東京都がオールハザード型Step.1を公表
東京都は11月24日、都政BCPを改定した「オールハザード型Step.1」を公表した。これまで主に首都直下地震を想定してきたが、東部低地帯における大規模風水害、島しょ地域での南海トラフ地震による津波被害、火山噴火、中規模な災害など、災害の事象や規模によって対処方法は多岐にわたることなどから、柔軟に対応できるBCPに改定した。これに併せて、被害の実態に即した執行体制を構築することで、災害対応力も一層向上させるという。
2023/11/27
-
南海トラフ地震臨時情報への理解と対応
リスク対策.com はこのほど、気象庁が2019年5月31日から運用を開始している「南海トラフ地震臨時情報」について、企業がどの程度理解し、対応を検討しているかなどを明らかにするため、アンケート調査を実施した。その結果、臨時情報の内容については概ね理解がされているものの、対応について検討したり、具体的な計画を策定している企業は一部にとどまることが明らかになった。
2023/11/26
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2023年11月21日配信アーカイブ】
【11月21日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:防災・事業継続力を可視化する
2023/11/21
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方