2012/05/25
誌面情報 vol31
運送から流通までを請け負う物流業者にとって、停電は、在庫データの喪失や保管倉庫の空調の停止など、重要業務を脅かす重大な問題となり得る。川崎陸送(本社:東京都港区 代表取締役社長:樋口恵一)では、東日本大震災を機に、全事業所の電源・電話回線のバックアップ体制を構築。社内だけに留まらず、荷主企 業の停電対策にも力を入れている。同社の停電対策の取り組みを取材した。
■3つの重要業務
川崎陸送は、主に大手食品メーカーの物流業務の 葛西流通センターへ 全般を請け負い、関東地方から九州地方を中心に保 管倉庫や営業所など、多くの拠点を持つ。東日本大 震災では、幸いにも同社の施設そのものには、大き な被害はなかった。しかし、地震、津波、原発と、 これまでに類のない複合災害となったため、同社で は、業務への影響が長期間に及ぶと判断し、震災直 後から、事業継続体制の構築に向けて動き出した。
まず初めに、川崎陸送として、止めてはいけない 最優先業務を大きく3つに分けた。顧客の製品の賞 味期限・出荷履歴などの「在庫のデータ」 、製品の 品質を維持する「倉庫の温度管理」 、最後は「従業 員の給与支払い」だ。
これらの活動を継続するためには、電源の確保が 不可欠となる。原発事故の影響により、計画停電など長期にわたる電力不足が想定されたことから、同 社では、すぐに電力のバックアップ体制の構築に動 いた。
誌面情報 vol31の他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方