2016/06/09
防災・危機管理ニュース
株式会社東京商工リサーチは8日、5月度全国企業倒産状況を発表した。
5月度の全国企業倒産件数は671件で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-5月の累計件数は3,510件で、7年連続で前年同期を下回ることがほぼ確実だ。
熊本市の建築資材販売会社が熊本地震の直後から受注が激減、事業継続を断念する初のケースが発生しており、先行きの見通しが立たず事業継続を諦める企業が出てくることが懸念されている。

5月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、負債総額は1,158億5,200万円。倒産件数は、前年同月比7.3%減(53件減)で3カ月連続で前年同月を下回った。5月としては1990年(501件)以来、26年ぶりに700件を割り込んだ。金融機関が中小企業のリスケ要請等に柔軟に応じていることや、大手企業を中心とした業績拡大による景気の底上げなども影響して、依然として低水準な推移が続いている。
負債総額は、前年同月比9.3%減(119億300万円減)で3カ月連続で前年同月を下回り、5月としては過去20年間で最小規模にとどまった。負債1億円未満が486件(構成比72.4%)と全体の7割を占めるなど、小規模な倒産が多い状況に変化がない。

地区別では、東北が今年最多で2カ月連続で前年同月の件数を上回った。5月の地区別件数は、9地区のうち5地区で前年同月を下回った。
こうしたなか、東北が今年最多の35件(前年同月比25.0%増)で2カ月連続で前年同月を上回った。東北の産業別では、飲食料品などの製造業(3→9件)やサービス業他(6→8件)で件数を押し上げた。県別では、原発事故の賠償金などを下支えに倒産が抑制されてきた福島(3→10件)が2011年5月(13件)以来、5年ぶりに2ケタの件数が発生した。
このほか、中国33件(同10.0%増)が5カ月ぶり、北海道18件(同12.5%増)が3カ月ぶりに前年同月を上回った。一方、九州は48件(前年同月比14.2%減)で6カ月連続の減少。近畿147件(同20.5%減)と関東263件(同5.7%減)は、それぞれ3カ月連続で前年同月を下回った。北陸は16件(同11.1%減)で6カ月ぶり、四国が13件(同7.1%減)で2カ月ぶりに前年同月より減少した。中部は前年同月同数の98件だった。



防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/05/05
-
企業理念やビジョンと一致させ、意欲を高める人を成長させる教育「70:20:10の法則」
新入社員研修をはじめ、企業内で実施されている教育や研修は全社員向けや担当者向けなど多岐にわたる。企業内の人材育成の支援や階層別研修などを行う三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有馬祥子氏が指摘するのは企業理念やビジョンと一致させる重要性だ。マネジメント能力の獲得や具体的なスキル習得、新たな社会ニーズ変化への適応がメインの社内教育で、その必要性はなかなかイメージできない。なぜ、教育や研修において企業理念やビジョンが重要なのか、有馬氏に聞いた。
2025/05/02
-
-
備蓄燃料のシェアリングサービスを本格化
飲料水や食料は備蓄が進み、災害時に比較的早く支援の手が入るようになりました。しかし電気はどうでしょうか。特に中堅・中小企業はコストや場所の制約から、非常用電源・燃料の備蓄が難しい状況にあります。防災・BCPトータル支援のレジリエンスラボは2025年度、非常用発電機の燃料を企業間で補い合う備蓄シェアリングサービスを本格化します。
2025/04/27
-
自社の危機管理の進捗管理表を公開
食品スーパーの西友では、危機管理の進捗を独自に制作したテンプレートで管理している。人事総務本部 リスク・コンプライアンス部リスクマネジメントダイレクターの村上邦彦氏らが中心となってつくったもので、現状の危機管理上の課題に対して、いつまでに誰が何をするのか、どこまで進んだのかが一目で確認できる。
2025/04/24
-
-
常識をくつがえす山火事世界各地で増える森林火災
2025年、日本各地で発生した大規模な山火事は、これまでの常識をくつがえした。山火事に詳しい日本大学の串田圭司教授は「かつてないほどの面積が燃え、被害が拡大した」と語る。なぜ、山火事は広がったのだろうか。
2025/04/23
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方