2019/07/30
危機管理の神髄
アクティブシューター(銃撃者) シナリオ パート1
10月14日、金曜日、午後4時 ダウンタウン
ひどく恐れていたクライアントとのミーティングから帰る車中である。それはかなりうまくいった。みんなを変化の側へ誘導することができたので、気分は良くなってきている。長かったウィークデーの後、3日間の週末を前にして、楽しい考えが頭の中に入り込んでくる。肩の荷が下りたような気がする。美しい日だ。晴天でさわやかで、太陽は日没まで1時間ほどのところまで地平線に忍び寄っている。
友人はウッドミヤ通りのスターバックスの隣に新しくできた居酒屋で一杯やろうと言った。その場所へ向かっている……。そのとき携帯電話が鳴る。
アシスタントからである。電話を耳に当てるが背景の雑音が多すぎて、彼女の声はほとんど聞き取れない。しかし何か悪いことだというのは分かる。とんでもなく悪いことだ。
彼女はひどく取り乱している。「ああー、ミーガン、どこにいるの?」
「カラ、何があったのだい?」
「あのボブが、ボブ・ノリックスだと思うけど、あなたが去年クビにしたあの人よ、銃を持って入ってきて、手当たり次第に発砲して、裏のドアから押し入ってきて乱射を始めたの、その音を聞いて、前のドアから飛び出し、通りを走ったの、それから警官が来て、彼を射殺したの……エミリーとアレックスが撃たれて死んだ、死んだと思うわ、クレイとライアンもやられて、どうなったのか分からない……」
7年前にシリコンバレーでの高給の仕事を辞めて、会社を始めた。30人以上のスタッフと市の周辺に3つのオフィスを持ち、テクノロジーのブティック会社は繁盛している。このようなことに関係するとは、始めた時には思ってもみなかった。
自分がパニックになりつつあるのを感じる。今はそれに圧倒されるわけにはいかないということは分かる。この会社は自分のベビーだ。自分はそれを所有しているのだし両足で騒がしい戦いの中へ飛び込むしかない。
職場にガンマンを入れるために誰かが錠のかかった裏のドアを開けたのだ。従業員の4人が殺され、4人が重傷を負った。逆恨みの元従業員であるシューターは死亡した。
オフィスへ戻る車の中で電話を試みるが、危うく赤信号を無視しかけたところで我に返る。そうではなく思考を集中させることに焦点を定める。今やらなければならない課題は何か。スタッフの4人が死んだ。少なくとも4人がひん死の重傷を負っている。オフィスには損害が生じているが、スタッフはまだそこにいて、クライアントさえいるかもしれない。何よりも警察は自分と話をしたいだろう。自分は弁護士と、投資家と、保険代理店と、そして家主と話さなければならない。
課題が大きなもの、中くらいのもの、そして特別に大きなものも含めて1ダースもあるのだ。あなたの会社は、テクノロジーのプロジェクトマネジメントが専門だ。だから今の状況のプロジェクトマネジメントをしようとする。最初のステップとして、それらの課題のうち後回しにできるものはないかを考える。何も思い浮かばない。
にこやかなエミリーとアレックスのイメージがあなたの思考を妨げる。ビーチで彼らに向けた携帯のカメラを、目を細めてみている。去年の夏は彼らと一緒にいたのだ。従業員以上の存在であり、良い友達だった。それが今はいない。悲しみが頭のてっぺんから足の指の先まで全身を洗う。
やっと到着すると、警察と消防の車両が通りをふさいでいる。ビルに近づくことさえできないので、2ブロック離れたところに駐車し、人混みの中へ走り入る。死亡者と負傷者はもういないので、スタッフのことに集中しようとする。事態の強烈さは高まり、その後の数時間は、聞かれることに答え、泣き崩れる従業員を抱きしめ、次から次へと話し続ける中で、かすみのように過ぎていった。
あなたは警察にハイジャックされ、刑事との話に、長時間にわたって引き留められた。一番話をしなければならないのは、鍵となる従業員である。彼らはその出来事の、そして友人や同僚を失ったというトラウマを抱えているのだ。
状況を最も良く把握していて、現場にいてあなたと話したがっている人たちの大半と繋がっているのはあなたのアシスタントであろう。今、彼女はあなたを見ているが、列になってその彼女を見ている5、6人の人がいる。
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