2016/07/18
噴火リスクにどうそなえる?
企業の対策① 噴火に備えたBCPの考え方
編集部注:「リスク対策.com」本誌2013年1月25日号(Vol.35)掲載の連載を、Web記事として再掲したものです。(2016年7月19日)
上席主席研究員・気象予報士 指田朝久氏
Q、噴火は、その規模や火口の位置、発生の時期などによって社会に及ぼす影響がまったく異なる。企業はいかに備えればいいか?
確かに噴火は、規模が大きかったり小さかったり、そのスケールにかなりの幅があり、影響が異なる。2011年には、霧島火山群の新燃岳で噴火があったが、この数十年間、企業活動にも大きな影響を与えたのは、雲仙普賢岳(長崎県)有珠山、(北海道)、三宅島(東京都)3つ。のこれらに共通しているのは、噴火が局所的であったことだ。
基本的に企業の事業継続戦略は、「早期復旧戦略」「代替戦略」との大きく2つに分けられるが、溶岩や火砕流、噴石の被害など直接的な被害範囲に存在する企業においては、噴火期間がよほど短くない限り、まず早期復旧戦略はあり得ない。したがって、こうした被害が及ぶエリアの中にある企業としては、代替戦略を用いて、一旦エリアの外に出て操業するか、あるいは噴火の期間は、企業としては一旦店じまいをして、じっと我慢をして、被害が完全に収まってから再開するしかない。
例えば、有珠山の洞爺湖温泉街では、噴火をしている間は、まったく仕事ができなかったし、温泉が経営資源なので、代替場所で営業することもできなかった。三宅島は全島避難となり、その場にいることすらできなかった。これは仕方がないことだ。
一方、代替ができる企業もある。例えば、有珠山の場合、金融機関の支店がいくつか閉鎖になったが、代替戦略として、付近の別の支店に移動して事業を続けたし、他の地域の店を借りて事業を続けた企業もある。つまり、業種と、代替ができるかどうかによって、大きく戦略が異なることになる。これは噴火に限ったことではなく、地震でも同じだ。
噴火リスクにどうそなえる?の他の記事
- 災害の種類 噴火による津波 で1万5000人が死亡
- 企業の対策① 噴火に備えたBCPの考え方 基本は代替戦略、網羅的に経営資源を見直せ
- 降灰被害 交通機関の麻痺、停電 サプライチェーンの途絶
- 噴火が引き起こす災害
- 鬼界カルデラの噴火で四国の縄文人が絶滅した
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/15
-
-
-
-
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
-
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
-
-
-
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方