2016/07/14
噴火リスクにどうそなえる?

編集部注:「リスク対策.com」本誌2013年1月25日号(Vol.35)掲載の連載を、Web記事として再掲したものです。(2016年7月14日)
発生期間が長いほど大噴火になる

地震が噴火を誘発する危険性に加え、もう1つ気がかりなのが、約100年もの間、日本では大噴火と呼ばれる噴火が起きてないことだ。藤井会長によれば「最近の観測で分かってきたこととして、火山の下でマグマは供給され続けるため、噴火してからの時間が長ければ長いほど大きな噴火になる可能性が大きい」。
国内では桜島(鹿児島県)の大正大噴火(1914年)以降、大規模な噴火は起きていない。富士山も宝永の噴火(1707年)が最後だ。
噴火活動の規模はVEI Volcanic(Explosivity Index:火山爆発指数)で表されることが多い。規模区分は噴出物の量で0から8に区分され、が8最大規模(下図参照)となる。国内にある110の活火山(北方領土含む)過去2000年間で計1162回は、噴火しており、このうちVEI4以上の大規模噴火は52回あり、40年に1約回程度の割合で起きている(短期間に繰り返される小規模噴火はまとめて1回と集計:宇都宮大学中村洋一教授の集計結果による)。なお、国内では過去2000年でVEI6以上の噴火は記録されていない。
ただし、それ以上の噴火が起きる可能性が無いということではない。火山噴火予知連絡会の藤井会長によると、日本では約7300年前に鹿児島から50キロほど南の屋久島近くの海域で鬼界カルデラの噴火があったことが確認されている。
VEI6〜7と考えられる大噴火で、1991年に火砕流で43人の死者を出した雲仙普賢岳の1000倍規模とされる。藤井会長によると、このような規模の噴火は6000年に1度ぐらいの割合で発生しており、前回の7300年前の噴火では、遠く離れた四国の縄文人が絶滅したと考えられている。再び同規模の大噴火を起こせば、日本全土が灰に包まれることになる。
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