2019/08/26
企業よ、サイバーリスクに備えよ
発見された脆弱性対策について
では、見つかった脆弱性に対してどのような対処をするのか、今回のケースでは、下記の順番で対策を検討します。
(2)開発部サーバーのパッチファイルのアップデート
(3)開発サーバーにアクセスするクライアント端末認証の追加
(4)開発クライアント端末の2要素認証の追加
(5)開発ネットワークに対するゲートウェイの設置
以下、各対策について説明しましょう。
まず対策(5)ができるまで、他の情報ネットワークとの分離を行います。分離されている間は開発フロアにのみこのサーバーへのアクセスが許可されます。
(2)開発部サーバーのパッチファイルのアップデート
今回発見された脆弱性に関するOSおよびアプリケーションのパッチファイルが存在するため、そのファイルを適応させます。
(3)開発サーバーにアクセスするクライアント端末認証の追加
今まで開発サーバーへのアクセスはアカウント認証でした。今回はアクセス許可端末を限定させるため、端末認証を追加します。
(4)開発クライアント端末の2要素認証の追加
次に接続端末ユーザーの成りすましを防止するために2要素認証(指紋)をクライアント端末に追加します。
(5)開発ネットワークに対するゲートウェイの設置
そして最後に他のネットワークからもアクセスできるように、ゲートウェイを設置します。アクセス端末の認証だけでなく、本ネットワークで利用できるアプリケーションのプロトコルなどを限定して、他のネットワークからのハッキングリスクを軽減します。
上記の措置を行ってから、システム評価および脆弱性診断の再診断を行い、他のネットワークへの接続を許可します。このように脆弱性の箇所が分かっていれば、他のインフラの稼働を止めずに部分的な脆弱性修復作業などを行うことが可能です。
- keyword
- サイバー攻撃
- サイバーセキュリティ
- LAN
- アライドテレシス
企業よ、サイバーリスクに備えよの他の記事
- 最終回:サイバー攻撃対応演習の実施
- 実際に情報インシデントが起きた想定演習
- 人・組織で行うサイバーセキュリティ対策
- LANシステム診断サービスについて
- 企業内感染の脅威、自分の端末が踏み台に
おすすめ記事
-
ランサムウェアの脅威、地域新聞を直撃
地域新聞「長野日報」を発行する長野日報社(長野県諏訪市、村上智仙代表取締役社長)は、2023年12月にランサムウェアに感染した。ウイルスは紙面作成システム用のサーバーとそのネットワークに含まれるパソコンに拡大。当初より「金銭的な取引」には応じず、全面的な復旧まで2カ月を要した。ページを半減するなど特別体制でなんとか新聞の発行は維持できたが、被害額は数千万に上った。
2025/07/10
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/08
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/07/05
-
-
-
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方