2019/09/03
しば副編集長のmi vista
国交省やJAFも参加し交通路確保
9月1日には例年行われている倒壊建物などからの救出・救助訓練などに加え、小田急・京王多摩センター駅北側の多摩ニュータウン通りを通行止めにして警視庁、国土交通省、都建設局、日本自動車連盟(JAF)、地元建設会社で組織する多摩市建設協力会による緊急交通路確保訓練を行った。地震でトラックの荷物が落下。その影響で後続の小型トラックと他車3台が追突する事故が発生した想定。事故後に白バイ隊員が駆けつけ、さらに国交省と都建設局による状況確認のほか、JAFと多摩市建設協力会も駆けつけ、荷物の除去に加え、レッカー車の他にカードーリーも用いて車を移動。事故から12分程度で車を左に寄せ、緊急交通路を確保した。都では事故車両や放置車両による渋滞を危惧し、今回は道路を一時通行止めにしてでも訓練の実施に踏み切った。
最終日の9月2日は小池百合子知事の緊急登庁訓練が行われた。陸路が寸断され、自宅から都庁までの通常の移動が困難と判断した想定で、自宅近くの都立公園まで徒歩とパトカーで移動。ヘリコプターに乗り、渋谷区の都立代々木公園にある陸上競技場の織田フィールドに降り立ち、都の災害対策車で新宿区の都庁に向かった。その後、都庁でテレビ会議を用いた多摩市との本部審議訓練を実施した。
3日間の開催や中学生による宿泊避難所設営・運営訓練、通行止めにしての緊急交通路確保訓練といった、例年にない合同総合防災訓練となった今年度。中学校での訓練についてはいつ起こるかわからない地震に備え、生徒がいる場合は支援者として設営や対応にあたれるようにという、多摩市の従前からの姿勢が背景にあった。
小池知事は9月1日の訓練後の講評で、「『災害は忘れたころにやってくる』はもはや死語で、昨今は頻繁にやってくる。『備えよ常に』の精神を持ち、公助以外に自助・共助を心がけてほしい」と呼びかけ。さらに報道陣の取材に応じ、多摩中学校での訓練について「子どもたちは常に地元にいるが、発災時に両親は都心にいるということもある。地元の子どもが設営から行うというのは、防災意識や発災時にすべきことについて、からだで学ぶ良い機会だと思う。多摩市の皆さんのご協力に感謝したい」と述べた。
いつ起こるかわからない地震。そして避難所になる学校とそこにいる可能性が高い生徒。いざという時に市職員や教員だけでなく、一番多くいる生徒が状況を理解し行動することが共助の推進につながる。学校でよく行われる避難訓練から、学校という場所の意味を踏まえてさらに進んだ訓練が実施された今年度だったといえる。
(了)
しば副編集長のmi vistaの他の記事
- 「東京が国を変える」防災で推進を
- ヤフーなど52社が無償で被災地支援
- 中学生宿泊による避難所設営・運営訓練
- 交通機関の理想像変革、JR西の計画運休
- 「組織使い捨て型テロ」イスラム国新手法
おすすめ記事
-
-
-
防災は面白くないと広がらない
地震が起きたとき、スマートフォンに通知された情報を頼りに避難を判断することが多いだろう。緊急地震速報の情報から、いまどのように動くべきかを判断できる、そんな身近な危機管理を習慣づけた1 社が、アールシーソリューション(東京都新宿区)だ。2010 年に提供開始したスマートフォンアプリ「ゆれくるコール」は、緊急地震速報を受信できるアプリとして多くのユーザーが利用している。代表取締役の栗山章さんは、数多くのユーザーに防災の重要性を広めてきた一方で、ビジネスとして成り立たせる難しさにも直面してきたという。これまでのサービス開発の経緯や、防災ビジネスへの価値観を聞いた。
2026/09/09
-
被災施設への再入場判断「戻ってはいけない」では解決しない避難後の問題
大地震が発生し、安全な場所へ避難して一息つくと、人々には「ひとまず危険のピークは過ぎた」という根拠なき安心感が芽生える。そして、さまざまな理由で「避難してきた場所に戻りたい」といった気持ちが生じる。しかし、被害がどの程度なら戻ってよいのかについての明確なルールや事例は、どこを探してもあまり見当たらない。 国には応急危険度判定という仕組みや、施設管理者が建物を緊急点検するための指針などもある。が、これらは避難直後の「戻りたいニーズ」に応える仕組みではない。ここに、避難直後の「再入場」という古くて新しい問題がある
2026/09/09
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2026/09/08
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2026/09/07
-
-
-
暗黙知を形式知へ、10年の徹底改善が生きた
熊本市の工務店・新産住拓株式会社(小山英文社長)は、2016年の熊本地震や近年相次ぐ豪雨災害を通じて災害対応を磨き上げてきた。発生当日は、約3割の社員が定休日で社長も不在という条件下にもかかわらず、地震発生から50分で社員の安否確認をおおむね完了し、2時間後にはホームページや顧客専用サイトで被害受付を開始した。
2026/08/24
-





※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方