中学生がチームごとに行ったHUGと呼ばれる避難所運営ゲーム

多摩市独自の取り組み

東京都と多摩市は8月31日~9月2日まで、合同総合防災訓練を実施した。9月1日午前7時ごろ、多摩地域を震源とし、最大震度7、多摩地域の広い範囲で震度6弱を記録する地震のシナリオ。都と区市による合同訓練は毎年この時期に恒例だが、例年2日間のところを今年度は3日間実施。さまざまなメニューが組まれた中で、2012年度以来となる道路を通行止めとした緊急交通路確保訓練の他、市立多摩中学校で生徒の宿泊を伴う避難所設営訓練も行われた。この珍しい中学校での宿泊訓練の背景には、多摩市と同中学校の独自の取り組みがあった。

8月31日午後3時、多摩中学校には生徒約150人と地域住民50人弱の計200人弱が集まった。他にも自衛隊やNTT東日本、NTTドコモの関係者も集結し、訓練は行われた。生徒は体育館でのオリエンテーション後に届いた物資の運搬や仕分けなどを行った。

車いす対応のマンホールトイレを組み立てる中学生

その後、体育館において、生徒向けに避難所の設営訓練を実施。マンホールトイレやパーテーションのほか、プライバシー確保のための屋内テントなどの設営を、実際に市の職員が説明したうえで生徒が組み立てを行った。防災倉庫にはこれらの資材があり、実際に被災した場合はこれらのものが使われる。

写真を拡大 会場に貼られていたスケジュール表

夕食は市職員や住民がアルファ米や缶詰を用意した他、自衛隊が豚汁を調理し提供。自衛隊は入浴設備の設営も行い、一部住民が入浴した。夕食後、午後8時からはさらに生徒たちによるHUGと呼ばれる避難所運営ゲームを実施。21チームに生徒たちが分かれ、リードする大人を各チーム1人ずつ配置。体育館のレイアウトを書いた大きな紙の上に、避難してきた人をどこに誘導するか、起こる事象にどう対応するかを1時間半かけて議論。大きな紙の上に特徴が書かれた人物のカードを配置していった。

避難所に来る人物設定はかなり細かく、例えば高齢者や負傷者、病人、小さな子ども以外に、障がい者、ペット同伴、ひきこもり、テント持参者や車中泊希望者などさまざま。さらにはどこに本部を設置するかの他、「たばこを吸いたい」と言う避難者にどう対応するかといった設問もあった。

多摩市によると教育委員会が毎年、学校や公共施設を持ち回りで、こういった避難所設営訓練を実施しているという。さらに多摩中学校では2014年度から毎年1~2年生による宿泊訓練を行っているとのこと。今年度はその多摩中学校で避難所設営訓練を実施。都の総合防災訓練では珍しい宿泊を伴う訓練になった。生徒がいる昼間に発災の可能性があり、生徒自身が支援者として動けるようになること、さらには年を重ねると学校の近くに住む卒業生も支援者として見込めるという狙いがあるという。

この日は他にもカードーリー(タイヤに装着する滑車)を用いて、エンジンが止まった車の移動なども実施。NTTドコモは災害時の通信手段や避難所に設置される非常用携帯電話充電器などについて、NTT東日本は災害用伝言ダイヤル(171)や公衆電話の使い方を生徒に説明。生徒は学校に宿泊した。

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